6月に行われる2016年F1第7戦カナダGPで新スペックパワーユニット投入を計画していると伝えられていたルノーだが、場合によってはそれを前倒しして来週行われる第6戦モナコGPで使うのではないかとうわさされている。
■モナコに間に合うルノー新スペックエンジンは2基だけか
だが、その場合、ルノーがモナコGPに持ち込めるのは2基のパワーユニットだけとなり、現在ルノーエンジンを使用しているルノーとレッドブルがそれぞれ1基ずつを搭載することになるだろうとドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』が報じている。
これは、新スペックパワーユニット用のスペアパーツがモナコGPの時点では十分にそろわないためだという。
■新スペックをモナコで使うのは誰?
仮に、ルノーとレッドブルに新パワーユニットが1基ずつ持ち込まれるとした場合、ルノーではほぼ間違いなくケビン・マグヌッセンのクルマにそれを搭載することになるだろう。2年ぶりながら2シーズン目のF1参戦を果たしたマグヌッセンの方が、ルーキーのジョリオン・パーマーよりもここまで安定した走りを見せているのは確かだからだ。
しかし、「タグ・ホイヤー」というブランド名でルノーエンジンを使っているレッドブルの方は難しい決断を迫られることになるかもしれない。
ルノーの新スペックパワーユニットは、これまでのものより35馬力ほど改善され、1周あたりコンマ5秒スピードアップを果たせる能力を持っているとうわさされている。
レッドブルでは、この有利なパワーユニットを経験豊かなダニエル・リカルドに先に搭載させるのか、あるいは昇格後初レースだった前戦スペインGPで見事に優勝を飾ってみせた勢いのある18歳の新鋭マックス・フェルスタッペンの方を優先すべきか。これについては意見が分かれることも考えられる。
■リカルドを優先すべきだとラウダ
だが、ライバルであるメルセデスAMGの非常勤会長を務めるニキ・ラウダは、リカルドが新スペックパワーユニットを搭載することになるだろうと考えている。
「間違いなく、私ならそのエンジンをリカルドに与えるよ」
そう述べたラウダは、次のように付け加えた。
「マックス・フェルスタッペンはまだこれからの人材だ。初勝利をあげた彼が絶賛されているのは確かだが、全体的な力で見れば、まだリカルドの方が上だと言わざるを得ないからね」