ホンダF1プロジェクト責任者の長谷川祐介が、2017年にはマクラーレン・ホンダとして最強メルセデスAMGに挑戦する計画だと主張した。
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先週末のF1スペインGP予選でマクラーレン・ホンダとして初めて予選Q3進出を達成したフェルナンド・アロンソは、これがチームにとってはひとつの“節目”となったと語った。
■モナコではスペイン以上の結果を期待
だが、長谷川は、来週末に行われるモナコGP(29日決勝)ではマクラーレン・ホンダのパッケージがさらに力を発揮できるはずだと考えている。
「モナコでは、エンジンのパフォーマンスはそれほど重要ではありません」
スペインの『El Mundo Deportivo(ムンド・デポルティーボ)』にそう語った長谷川は、次のように続けた。
「現時点では、我々にとってはいい結果が期待できるサーキットのひとつでしょう。我々のところには2人の優れたドライバーがいますし、このグランプリには大きな期待を抱いています」
■クルマの総合力を高めることが必要
マクラーレンでは、自分たちの設計したシャシーはライバルたちと比較しても最高レベルにあると自負している。そして、昨年は性能と信頼性の両面で大きく後れをとっていたホンダパワーユニットも今季は格段の進歩を見せているのも事実だ。
だが、長谷川は「マクラーレンが抱えているのは必ずしもパワーユニットの問題だけではありません。来年、F1タイトルを勝ち取るためには、すべての部門が改善を果たすことが必要です」と主張した。
■新スペックPUの投入時期は未定
一方、同じスペインの『Diario Sport(ディアリオ・スポルト)』紙は、現在ホンダではモントリオールで行われるカナダGP(6月12日決勝)で投入すべく、新スペックのパワーユニット開発に取り組んでいると報じている。
だが、長谷川は新スペックパワーユニットをいつ投入するかは「まだ決めていません」と語り、次のように続けた。
「(パワーユニット改善に)取り組んでいますし、細かな仕上げ段階に入っています。サーキットに持ち込むのは準備がすべて整ってからになります」
「我々としては、飛躍的な改善を図るためにいくつかのトークンを使うことを考えています」
「それによって常にポイント圏内に入ることができるようになることを期待しているところです」
■今季中の表彰台は困難
長谷川は、現在行っている開発によって「0.1秒」ほどの改善は果たせるはずだと述べたものの、2016年シーズン後半には表彰台も狙えると考えているかと質問されると、次のように答えた。
「それは非常に難しいでしょうね。しかし、我々は表彰台を目指すのではなく、優勝を目指して毎日頑張っています。そういう意味では、我々のシーズン開幕以降の改善度合いはよいですし、メルセデスよりもいいとさえ言えます」
「我々は喜んでいますが、まだ十分ではありません」
■トークン廃止の2017年は飛躍の年に
さらに、2017年から現行のトークン制度が廃止されることについて尋ねられた長谷川は、「ホンダにとっては非常によいニュースです」と答え、次のように続けた。
「我々は2017年にはメルセデスAMGに挑戦することを計画しています。競争力の高いクルマにしようと頑張っていますし、そうすればフェルナンド・アロンソは勝利することができるでしょう」
最後に、マクラーレンとの関係について質問された長谷川は、難しいこともあるものの、マクラーレンとは「長期に及ぶ」契約が交わされており、その協力関係もうまくいっていると次のように主張した。
「我々は共に非常にうまくやれています。昨年は悲惨でした。しかし、我々の関係は非常にうまくいっています」