メルセデスAMGは信頼性の問題克服に最優先で取り組むとチーム首脳陣が語っている。
F1第4戦ロシアGPではメルセデスAMGが1-2フィニッシュを飾ったが、ルイス・ハミルトンは予選で第3戦とまったく同じ問題に見舞われた。
これには陰謀説まで飛び出しているが、ビジネス部門のエグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフは真っ向から否定し、その証拠に、さらなるペナルティーを回避するためプライベートジェットを飛ばしてパーツを取り寄せたと話している。
「荷物は、飛行機で届くと、90秒のうちには空港を出ていた。バーニー(エクレストン)がいったいどうやって成し遂げたのか想像もつかないよ」とヴォルフは『Bild(ビルト)』紙に冗談半分に語っている。
■パワーユニットに相次ぐトラブル
しかし、メルセデスAMGがロシアGPで見舞われたトラブルはこれだけではなかった。決勝ではハミルトンが水漏れに苦しみ、優勝したニコ・ロズベルグにもトラブルの兆候が出ていたのだ。
「ニコのレースはこれで終わりだと思った瞬間もあった」とヴォルフは打ち明けている。
メルセデスAMG非常勤会長のニキ・ラウダは、ロシアからチーム本拠地のあるイギリスに飛び、相次ぐパワーユニットのトラブルに終止符を打つようチームに発破をかけると『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』が伝えている。
ラウダは次のように話す。
「エンジンの信頼性は気がかりだが、われわれのスタッフなら解決できると信じている」
「自分で作れるものは、理解し、修理することもできる」
■「一歩後退」することも必要とヴォルフ
ヴォルフも、チームがパニックに陥ることはないとドイツのテレビ局『RTL』に説明している。
「一定のルールが続くほど、馬力をわずかに引き上げることも難しくなっていく」
「エンジン責任者のアンディー・コーウェルは、チームで“ミスター・パフォーマンス”と呼ばれているよ。エンジンから人知の及ぶ限りすべての力を引きだそうとするからだ」
「だが、われわれは小さく一歩後退して、確実にフィニッシュラインまで持ってこられるクルマをドライバーに与えるべきなのかもしれない」