2年連続F1チャンピオンのルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)が、相次ぐトラブルに苦しんでいる。
ハミルトンは、開幕戦と第2戦はスタートで後方に下がり、第3戦中国GPでは予選でトラブルが発生してパワーユニットを交換したため最後尾スタートに。スタート直後の1コーナーで接触し、7位フィニッシュが精一杯だった。
ロシアGP(1日決勝)の予選でも、ハミルトンに同じトラブルが発生。メルセデスAMGは、中国GPでトラブルが発生したエネルギー回生システムのMGU-Hを交換していたが、それでも同じ問題が再発した。予選Q3で走行できなかったハミルトンは、10番手グリッドからスタートする。
「同じ問題が2度起きることなどあってはならない」とメルセデスAMG非常勤会長のニキ・ラウダは話す。
メルセデスAMGもこの問題の原因がつかめず、頭を悩ませている。
チーム代表のトト・ヴォルフは、「何一つ除外せず、すべてを考慮しなければならない」と『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に話している。
■「目標がどんどん遠くに」
チャンピオン争いで最大のライバルであるチームメートのニコ・ロズベルグは、昨年から6連勝を続けており、ロシアGPもポールポジションからスタートする。
予選後、どんな気分かと聞かれたハミルトンは、「ほとんど無力だと感じるときもある」と『Sky Sports(スカイ・スポーツ)』に話している。
「今回も僕たちは素晴らしいペースだったのに、こういうふうに全員にとって予想外なことが起きると、無力感を味わうよ。スタッフを元気づけるために僕にできることは大してないし、彼らが僕を元気づけることもあまりできない。こういうことが起きたんだからね」
「目標がどんどん遠くに離れている。僕はできることをすべてやっているから、ほかにはどうしようもない」
ハミルトンは、ロシアGP決勝を中国GPで使ったパワーユニットに戻して戦うが、年間5基では間に合わず、6基目を使ってペナルティーを受ける可能性もあると話す。
「僕にはエンジンが3基しか残っていないから、最終的にはペナルティーを受けることも覚悟しておく必要がある」