オーストリアの『Kleine Zeitung(クライネ・ツァイトゥング)』紙が「F1において、ここ数年でもっとも重要な会議」だと表現した会合がロンドン近郊のビギン・ヒルで26日(火)に行われた。
■間近に迫る2017年ルール決定期限
2017年に大幅なルール変更導入を計画しているF1だが、その決定に当たっては今月30日(土)が最終期限として設定されている。
もっと面白いF1への復活をめざし、2017年からはF1カーのスピードアップを図るとともに車幅を広げ、ワイドタイヤを導入するといった計画が進められている。だが、現時点ではそれが本当に賢いやり方なのかどうかという議論がまだ続けられている状態だ。
■26日の会議では出席者数不足で採決できず
2014年から2年連続でF1タイトルを獲得したメルセデスAMGのトト・ヴォルフ(ビジネス担当エグゼクティブディレクター)は、現行ルールを変更することに対して批判的であることで知られているが、27日にビギン・ヒルで行われた会合では、現行の2017年計画に関して承認あるいは否決するに十分な数のメンバーが出席しなかったことが明らかとなっている。
だが、ドイツの『SID通信』が報じたところによれば、より速いF1カーにするためのルール変更は今回の会合の後でもまだ事実上有力案として残ったままだという。
■エンジンルールに関しても不透明
一方、エンジンルールに関する変更に関しては今後どうなるかまだ一層不透明な状況だ。F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)は、各メーカーのエンジンパフォーマンスの均一化や、もっと安価にエンジンを供給することなどを含んだルール作りを推し進めようとしている。
『SID通信』は、この件について次のように報じている。
「エンジンレギュレーションに関しては何の解決策も見いだされていない。恐らく、多くのメーカーが投票のために出席しなかったためだと考えられている」
今後のエンジンレギュレーションに関しては、F1の主要関係者たちが最終期限の30日(土)までにファクスで投票を行うことになると見られている。
■結局は時間切れ?
レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、最近次のように語っていた。
「こういう件に関してはよく起こることだが、残念ながら、今月末の期限は時間切れとなり、何も決定されず、何も変わらないということになると思う」