フェラーリのチーム代表であるマウリツィオ・アリバベーネが、今週末のF1ロシアGP(5月1日決勝)に大幅に改善を施したパワーユニットを投入するようだとのうわさを否定した。
今年のF1チャンピオン候補の一角に挙げられていたフェラーリのセバスチャン・ベッテルだが、現時点ではランキングトップのニコ・ロズベルグに42ポイント差の4番手と、開幕3レースを終えた時点では予想外の苦戦を強いられている。
その最大の原因は、第2戦バーレーンGPでエンジンにトラブルが発生したことにより、リタイアとなってしまったことだ。
そんな中、今週末のロシアGPにおいてベッテルは3枚のトークン(開発引換券のようなもの)を用いて大幅にパフォーマンス改善が施された新型のパワーユニットを搭載することになるだろうとの報道が先週行われていた。
だが、アリバベーネは、ブラジルの『UOL(ウニヴェルソ・オンライン)』に対し、次のように語った。
「ソチに持ち込むものはあるが、それほど重要なものではないよ」
「我々はかなり以前に、段階的な開発を行っていくという方針を決めていたんだ。完全に新しい設計でシーズンを始めるわけだから、革命的な(改善)パッケージを作ろうとするのは意味のないことだからね」
「エンジンの開発に関しても我々は同じ方針を選択している。もちろん、パフォーマンス改善のために何枚かのトークンを使うつもりだよ。だが、それは段階的に行うことになる」
アリバベーネは『Blick(ブリック)』紙のベテランF1記者ロジャー・ブノワに対しても、「我々はメルセデスAMGに対してコンマ1秒足りないだけだ」と語っており、現時点におけるメルセデスAMGとの差はパフォーマンスではなく、信頼性の問題や、レースで発生したアクシデントによるものが大きいと示唆している。