フェルナンド・アロンソ(マクラーレン・ホンダ)が、自分はモータースポーツに対する情熱を失ってなどいないと主張した。
■いつかはル・マンとインディ500にもチャレンジしたい
だが、アロンソの視線の先にあるのは必ずしもF1だけというわけではなさそうだ。アロンソは母国スペインの『AS』紙に対し、まだF1でやり残したことがあるものの、いつかは伝統的なレースとして知られるル・マン24時間やインディ500でも勝利したいという夢を持っていると次のように語った。
「モータースポーツには伝統的な最高のレースが3つある。モナコ、ル・マン、そしてインディアナポリス500だ。この3つすべてに勝利するのは難しいことは分かっているけれど、素晴らしい挑戦になるだろうね」
現時点では、3度目のF1タイトル獲得という目標に向けてマクラーレン・ホンダでのプロジェクトに取り組んでいるアロンソだが、中にはアロンソにはすでにF1を戦う上で必要なやる気が失われてきているのではないかとの声もある。
■なぜ自分の「やる気」が疑問視されるのか分からない
つい先日も、同様のコメントを行った元F1ドライバーのジョニー・ハーバートと衝突したばかりのアロンソは、そういう声があることに対して次のように主張した。
「どうして僕のやる気がなくなったなんて考えることができる人たちがいるのか分からないよ」
「2012年には最後の最後までF1タイトル争いを行った。2013年には2位だったし、2014年には(当時フェラーリでチームメートだった)キミ・ライコネンの3倍ものポイントを獲得した。そして2015年のハンガリーではクルマを押してピットレーンまで戻っていた」
「最近も、気胸(ききょう=肺と胸壁の間にある胸腔《きょうこう》内の空気が肺を圧迫することにより、痛みが起きたり、息が吸いにくくなったりする状態)を患い、肋骨(ろっこつ)が2本折れているにもかかわらずFIA(国際自動車連盟)にクルマの運転を認めるよう求めていた」
そう語ったアロンソは、次のように付け加えた。
「僕に関していろんなことを言うのは自由だ。遅いとか、もう年だとか、醜いやつだとかね。だけど僕がやる気を失ったと言うのは許せないね」
■報道で苦しむのは本人のみにあらず
バーレーンでアロンソがハーバートに対してテレビの生放送中に「F1チャンピオンになれなかったから今こうして解説者なんかをやっているんだ」と罵声(ばせい)を浴びせたことが大きな話題となったが、それ以来ハーバートの妻が体調をくずしてしまったとも報じられている。
そのことを記者から伝えられたアロンソは、「あのね、僕の母も何週間も僕のことを心配していたんだ」と答え、次のように付け加えた。
「オーストラリアでのクラッシュを心配し、バーレーンへ向かったことを心配し、僕がレースをしたいと思っていたことを心配していた。そんなとき、この男(ハーバート)が僕がもうリタイアしたいと思っているなんて言ったんだよ」