フィアット・クライスラーの最高経営責任者であり、現在はフェラーリの会長職も兼務するセルジオ・マルキオンネが、イタリアの名門自動車会社であるアルファロメオをF1に復活させたいと考えていることは周知の事実だ。
マルキオンネは、現存するF1チームとのコラボレーションによってそれを実現したいという旨の発言も行っており、一時は今年からフェラーリパワーユニットを搭載することになったトロロッソと交渉を行っているようだとの報道も行われていた。
■アルファロメオ、ザウバー獲得を視野に?
だが、ここへきて、アルファロメオ復活に向けて新たなうわさがささやかれている。
それは、厳しい財政状況に置かれているザウバーをアルファロメオが買収するのではないかというものだ。
先週末、F1中国GPが開催された上海を訪れていたマルキオンネは、アルファロメオF1復帰に関して次のように語った。
「これ(F1)は自動車の世界において最高の技術表現の場だ。アルファロメオが目標としているものを考慮すれば、選択肢として考えるべきだと思っている」
「アルファの神話はレースとともに生まれたものだし、なんとかそこへ立ち戻る必要がある」
「それがいつになるのかは、まだ分からないがね」
そう語ったマルキオンネは、うわさされているザウバーについて質問されると、次のように答えていた。
「もし誰かがすべての負債を肩代わりしてくれればね・・・・・・」
■生き残りをかけて出資者を探すザウバー
一方、唯一の女性F1チーム代表であるザウバーのモニシャ・カルテンボーンは、今季の第2戦バーレーンGPにはチームに帯同せず、スイスの本部において出資候補者たちとの交渉を続けていたと考えられている。
伝えられるところによれば、ザウバーでは2月に続き3月もチームスタッフへの給与支払いが遅れるという、かつてないほどの財政難に陥ってしまっているだけに、出資候補者たちと、まさに生き残りをかけた懸命な交渉が続けられているのは間違いないだろう。
先週末の上海で、アルファロメオとのうわさに関してスイスの『Blick(ブリック)』から質問を受けたカルテンボーンは、次のように答えている。
「アルファロメオは、どんなチームにとってもいいパートナーになるでしょうね」