F1では、2017年から新たなルールを導入することにしているが、メルセデスAMGでは現行ルールをそのまま維持すべきだと主張している。
すでに2017年に向けてシャシールールに関する基本修正方針は示されているが、テクニカルレギュレーションの詳細に関しては4月30日(土)を最終期限として決定される予定となっている。
だがこのルール改正を巡っては、考え方や立場の違いにより合意に到達することが難しく、今もなお政治的な動きが活発に繰り広げられている。
■エンジン問題は改善されないとレッドブル
レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、F1統括団体FIA(国際自動車連盟)がF1エンジンに関してコスト削減や供給保証、パフォーマンスの均一化、そしてさらに大きな音を発生させるという方針を打ち出したものの、今後もエンジンの状況が改善されることはないだろうと考えている。
「我々は今話し合いを行っているが、そうした課題に関して合意できるような状態ではない」とホーナーは語った。
さらに、現時点では、マクラーレンとレッドブル以外のほとんどのF1チームが、2017年に向けて当初計画されていたシャシーに関するルール変更に対しても反対の意思表示をしていると言われている。もっとダウンフォースを増やすことによって今よりも追い抜きが難しくなるだろうというのがその理由だという。
■現行ルール維持が最もよい選択肢だとメルセデスAMG
F1がそれまでとは全く違うパワーユニットを導入した2014年以降2年連続で圧倒的な強さを誇ったメルセデスAMGも、現行ルールの維持を訴えているチームのひとつだ。
メルセデスAMGのビジネス担当エグゼクティブディレクターを務めるトト・ヴォルフは、現在フェラーリやレッドブルがメルセデスAMGとの差を非常に縮めてきているだけに、また2017年からクルマのレギュレーションを変えてしまうのはタイミング的にも最悪だと次のように主張している。
「今のままにしておくべきだよ。我々はもはや昨年と同じような優位性は持っていないし、レースも面白くなってきている。もしレギュレーションを変えなければ、もっと面白くなるはずだ」
■エクレストンおろしの動きも?
そうした状況の中、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、現在のF1の政治的状況などに不満を抱えるF1の主要エンジンメーカーたちが、F1最高責任者であるバーニー・エクレストンの退陣を求めていると書いている。