史上最年少でF1タイトル4連覇を達成した記録を持つセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が、自分は「ヒーロー」のように振る舞うつもりはないと主張した。
2014年と2015年に2年連続でF1チャンピオンとなったルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)は、F1における「スーパースター」だと言われており、さまざまな形で自己アピールを行うことに熱心であることがよく知られている。
■自分はクルマを速く走らせることができるだけ
だが、ベッテルはほかのドライバーたちのようにツイッターやインスタグラムなどに登録することさえ拒否している。
そのベッテルは、『Die Welt(ディー・ヴェルト)』紙の補完サイトである『PS Welt(PSヴェルト)』に次のように語った。
「僕はほかの人たちと同じように普通の人間だよ」
「僕がほかの人たちよりクルマを速く走らせることができるからといって、それで彼らより偉いというわけではないんだ。僕は誰の命を救っているわけでもないし、ヒーローなんかじゃないよ」
■ベッテルが共感できない2つのこと
かたくなにプライバシーを守ることで知られている28歳のベッテルは、いまや2人の子供の父親でもある。そんなベッテルは、自分は「セルフィー」世代には共感できないと次のように続けた。
「絶えず自分の写真を撮っているこの世代は、僕には理解できないな」
そう語ったベッテルだが、彼にはほかにも共感できないことがあるようだ。
「(F1の)新ルールは、僕に言わせれば、ものすごく未来的だね」
そう語ったベッテルは、次のように続けた。
「クルマは、燃費的にはさらに効率のよいものになっている。だけど、これによって観客やドライバーたち自身が興奮を覚えるかといえば、僕にはよく分からないよ」
■F1は基本精神を失ってはならない
ベッテルは、現在のF1ルールはその本質から遠ざかり、より「不可解」なものになってきていると主張。最近起きた予選ルールに関する論争などは「気恥ずかしく」思えるだけだったと語っている。
「僕たちはF1の精神が失われないよう慎重であるべきだよ」
そう語ったベッテルは、次のように付け加えた。
「僕がF1に来て以来、このスポーツを改善しようと多くのことが行われた。そのうちのいくつかは成功したけれど、多くはそうではなかった。いくつかのものが今ではあまりにも人為的になり過ぎていて、観客が一体感を感じることが難しくなってしまっているよ」