F1チームは、2017年シーズンまでに新たな予選方式を再度検討することを約束している。
開幕戦オーストラリアGPから、90秒ごとに脱落する新たな予選方式が導入されたが、数分を残して結果が決まってしまう状況に、全チームは2015年までの予選方式に戻すことで合意した。
しかし、開幕戦にいなかったFIA(国際自動車連盟)会長ジャン・トッドとF1最高責任者のバーニー・エクレストンはこれを受け入れず、第2戦バーレーンGPでも脱落方式を行うことになる。
第2戦でもやはり同様の結果になったため、FIAは2周タイムの合計で争う合算方式を新たに提案。合算方式か現状の脱落方式かで採決が取られることになっていた。
しかし、チームはこの採決に反発。全チーム合同で、2015年までの予選方式に戻すことを書簡で要請した。ついにトッドとエクレストンもこれを受け入れ、次の中国GP(17日決勝)から以前の方式が復活する見込みとなっている。
こうした経緯から、「ジャン・トッドが権力争いに敗れた」とイギリスの『Telegraph(テレグラフ)』紙は伝えている。
■2017年に向けて予選方式の検討は続く
しかし、チームとエクレストン、FIAの予選をめぐる綱引きは今後も続きそうだ。
FIAの声明にはこうある。「2017年のレースウィークのフォーマットについて包括的な評価を行うというチームからの提案を、ジャン・トッドとバーニー・エクレストンは歓迎した」
これについてメルセデスAMG非常勤会長のニキ・ラウダは、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』にこう説明している。
「われわれは、バーニーの目標が達成できるような新たなシステムについて、再度冷静に検討することを提案した」
エクレストンの目標とは、決勝のグリッド順に波乱を生み出すことだ。
そもそもエクレストンが最初に提案したのは、予選結果に対して選手権ポイントに従ったタイム加算を行う、いわゆるリバースグリッドだった。シーズン前にその案か脱落方式かで採決が取られた結果、脱落方式が採用されていたのだ。
2015年方式に戻すことを求めたチームの書簡は、将来的な変更の余地を認めている。そこには、タイトル争いが決定したあとであれば今シーズン中に新たな方式を試すこともできると書かれていた、と『Motorsport.com』は伝えている。