マクラーレンの控えドライバーを務めるストフェル・バンドーンが、来週末にはF1中国GP(17日決勝)が開催される上海に向かうことになると語った。
これはもちろん、フェルナンド・アロンソが万一中国GPにも出走できないとなった場合に備えてのことだ。
■バーレーンでは突然の参戦で活躍を見せたバンドーン
開幕戦オーストラリアGPで大クラッシュを演じたアロンソだが、当初は無傷で第2戦バーレーンGPへの出走も問題はないと考えられていた。ところが、精密検査を行ったところ肋骨(ろっこつ)と肺にダメージを受けていたことが明らかとなり、医師から出走許可が下りなかった。
このため、当時スーパーフォーミュラのテストのために日本にいたバンドーンに支給バーレーンまで飛ぶよう指示が出され、バンドーンは飛行機の中でマクラーレン・ホンダの2016年型車MP4-31やレース手順などについての資料に目を通しながら大慌てで移動したという経緯があった。
マクラーレンのレーシングディレクターを務めるエリック・ブーリエは、『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語った。
「日本でのシーズンが始まるにあたり、テストはたった4日間だ。だから我々は彼を日本へ送っていたんだ」
「あのシリーズ(スーパーフォーミュラ)は彼にとって大切なものだ。それによってレース感覚を研ぎ澄ませておく必要があるからね」
■中国GP出場はアロンソの検査結果次第
アロンソの代役として必要十分な働きをしてみせたバンドーンだが、現在は再び中国でF1カーに乗ったときに備えて、感覚を磨いておくよう努めているところだ。アロンソがレース復帰できるかどうかは、来週に予定されているFIAの医師による再検査の結果が出ないと分からないためだ。
「僕は明日シミュレーター作業を行う予定だよ。そうすれば週末に向けて少しは落ち着いていられるからね」
母国ベルギーのラジオ局『Sporza(スポルザ)』にそう語ったバンドーンは、次のように付け加えた。
「来週は中国に行くよ。そして、またクルマに乗ることになるのかどうか様子を見ることになる」
またレースに出られる可能性はどれくらいありそうかと質問されたバンドーンは、次のように答えた。
「それは全然分からないよ。フェルナンドは来週さらに検査を受けることになっていて、そこで決断が下されることになるんだ」
「一度レースに出た後で、また控えの座に戻らなくてはならないのは僕にとってうれしいことではないさ。だけど今年はそれが僕の置かれた状況だということは分かっていたことだ」
そう語ったバンドーンは、次のように締めくくった。
「恐らく、バーレーンでのレースが僕にとって本当のテストだったんだと思う。僕にはF1昇格の準備が整っていることを証明することができたと思っているよ。チームやF1界にいい印象を与えることができた。それが今後に向けて役立つはずだよ」