F1最高責任者のバーニー・エクレストンが、現在のF1を実質的に支配しているのはメルセデスとフェラーリだと主張した。
■意思決定システムに不満を持つF1最高責任者
最近、欧州委員会がF1の調査に入ったことをエクレストンが認めたと報じられている。
この欧州委員会による調査は、2015年9月にフォース・インディアとザウバーが正式に申し立てを行ったことによるものだ。2チームは現在のF1の意思決定システムや収益分配システムが競争法に違反しているとの不満を訴えている。
フォース・インディアとザウバーは、その主たる責任はF1最高責任者であるエクレストンにあると指摘している。だが、そのエクレストン自身も現在のF1意思決定システムには不満を抱えており、メルセデスとフェラーリは「カルテル」を組んでいるとの批判も展開していた。
■パワーユニットが諸悪の根源?
常々、F1が2014年に導入したパワーユニットを好ましく思っていないことを公言してきていたエクレストンだが、過去2年にわたってメルセデスAMGが圧倒的な力でF1を支配していることによりF1がひどく傷つけられてしまっていると次のように主張した。
「メルセデスAMGは過去2年の間に34レースで勝ったと思う(実際には32勝)し、その大部分で1位と2位を独占していた」
「もし、メルセデスAMGとフェラーリとの戦いが激しいものであればだれも文句など言わなかっただろう。もし1チームが圧倒的に強くても昔マクラーレンであったようにそのドライバーたち(アイルトン・セナとアラン・プロスト)が戦い合う状況ならまだましだったと思うよ」
「だが、もしルールを変更しなければ、メルセデスが2020年まで勝ち続けるかもしれない。それが非常に心配なのだ」
■メルセデスとフェラーリが票を買っている
エクレストンは、現在のF1を実質的に動かしているのはメルセデスとフェラーリだと主張している。競争力のあるパワーユニットを手にした2チームが、技術的にも政治的にもF1を支配しているのだという。
エクレストンは、その意味を次のように説明した。
「2つの大チームが投票権を買っているのだ。もし彼らの顧客チームが期限通りに支払いをしなければ、エンジンは手に入らなくなる。自動車メーカーが望むような投票をしない限りね」
「つまり、1票しか手元にないFIAと私は取り残されてしまうということさ」とエクレストンは付け加えた。