F1最高責任者のバーニー・エクレストンは、ドライバーはチームの意見を代弁している「しゃべり屋」に過ぎないと話している。
F1ドライバーで構成されるグランプリ・ドライバーズ・アソシエーション(GPDA)は、F1の意思決定に問題があると訴える公開状を提出した。
これに対してエクレストンは、ドライバーはチームの意見を代弁しているに過ぎないと切り捨てた。バーレーンGP(3日決勝)のパドックで次のように話している。
「ドライバーは好きなことを言うことができる。それだけだ」
「彼らには何もできない。彼らには何の力もない。意見があるだけだ」
「しかも、チームから言うようにと指示されたことを言っているに過ぎない」
ドライバーは人の意見を代弁する「しゃべり屋」なのかと聞かれると、エクレストンはこう答えた。
「何人かはそうだね」
「誰がそうかって? よくしゃべる者だよ」
■ベッテルに皮肉で返すエクレストン
二転三転している予選方式に関して最も声高に批判しているのはエクレストンとも親しいセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)だ。
ベッテルは、批判の多い新予選方式を続けていることについて、ファンがほしがっているのはチョコ味のアイスなのにバニラ味を売り続けていると批判した。
これに対してエクレストンは、皮肉で返している。
「彼は正しいかもしれないが…このレースで彼が勝てると思うかい?」
「彼は同じことを自分のボスに言うべきだね。彼ら(フェラーリ)はもう何年もアイスクリーム屋を続けている」
■チームはエクレストンの主張を否定
ドライバーはチームの指示で動いているというエクレストンの主張に対して、チーム関係者は否定している。
GPDAの公開状の目的は、スポンサーやプロモーター、タイヤサプライヤー(ピレリ)を含む利害関係者で構成されるF1委員会にドライバーの参加を求めることではないかとも言われている。
フォースインディアの副チーム代表ボブ・ファーンリーは次のように話す。
「いや、私はどのドライバーともそのことに関して話したことはない」
「ドライバーには果たすべき役割があると思うが、GPDAのメンバーをF1委員会に加えるのは非常に難しいだろう」
メルセデスAMG非常勤会長のニキ・ラウダは、GPDA会長を務める元F1ドライバーのアレキサンダー・ブルツが単独で行っていることだと話す。
「ブルツ氏がまとめて、全ドライバーの名前で話しているんだよ」
「(エクレストンの主張は)たわ言だね。ブルツの単独行動で、彼が黒幕だよ。われわれは無関係だ」