F1の予選方式について、バーレーンGPの予選後に再び話し合いが行われる。
開幕戦オーストラリアGPで新しい予選方式が導入されたが、数分を残して結果が決まってしまう展開に批判が噴出し、翌日、2015年までの方式に戻すことで全チームがいったんは合意した。
ところが、その後FIAは、従来方式に戻す案ではなく、Q3のみを元の方式に戻す折衷案を提案して採決を行ったため、妥協を受け入れないチームがあり、合意に至らなかった。
結局オーストラリアGPと同じ方式がバーレーンGPでも続けられることを受けて、ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)はこう話す。
「僕のエンジニアは、今週末もまったく同じ展開になると言っている。ファンはまた不満を感じるだろうね」
■原因はトッドとエクレストンの面子
3度のF1王者ニキ・ラウダは、こうした展開になった原因が、オーストラリアに来ていなかったFIA(国際自動車連盟)会長ジャン・トッドとF1最高責任者バーニー・エクレストンにあると『Osterreich(エステルライヒ)』紙に話している。
「クレイジーだ」
「われわれはオーストラリアで何が起きたかを見た。チームもドライバーも全員が合意した」
「それにもかかわらず、ジャン・トッドはもう一度試したいという。エクレストンもだ。自分がないがしろにされたと感じているからだ」
「“ルールを作るのは私たちだ!”と言いたいんだよ。そのせいで、このバカバカしい予選が今も続いている」
■ファンの希望を無視しているとベッテル
4度のチャンピオンであるセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)も、予選方式をめぐるドタバタにいらだっている。
アイスクリームを例えに、F1ファンが望むのはチョコレート味なのにバニラ味を無理強いしていると語った。
「普通は、お客が望むことをするものだよ。だから、その逆をしているなら仕事がなっていないということだ」
「誇りを持てるようなことじゃない」とベッテルは話す。
■意思決定の方法に不満を募らせるドライバー
ドライバーは一様にF1の意思決定の方法に不満を募らせており、スポンサーやプロモーター、タイヤサプライヤー(ピレリ)を含む利害関係者で構成されるF1委員会にドライバーの参加を求めるのではないかといううわさもある。
これについて聞かれたニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)は、「僕たちは別の考えを持っている」と話している。
「今は詳細については話したくないけれど」
「ただ、予選はまさに完ぺきな例だよ。誰もがこの新方式に反対で、誰もが以前の方式に戻したがっているのに、こんな状態なんてあり得ないよ。それも、2人ほどの人間のせいでね」
「僕たちドライバーは、このスポーツが正しい決断をできるよう、もっと貢献したいと願っている」とロズベルグは話している。
■予選方式はバーレーンで再度話し合いへ
トッドとエクレストンはバーレーンにおもむき、予選方式についてチームらと話し合いを持つ予定だ。
「ここではマシになることを願っているよ」とハースF1のチーム代表ギュンター・シュタイナーは話す。
「予選後に、今後どうするかを見極めるための会議を行う」