NEXT...F1開催スケジュール

【WEC】トヨタ、新型TS050 HYBRID発表 悲願のル・マン制覇へ

2016年03月24日(木)21:12 pm

TOYOTA GAZOO Racing(トヨタ・ガズーレーシング=トヨタ)は、FIA世界耐久選手権(WEC)2016年シーズンの新型車両『TS050 HYBRID』を発表。

●【画像7枚】新車画像はこちら

●小林可夢偉、中嶋一貴などドライバーコメント

2015年シーズン、ディフェンディングチャンピオンとして挑んだトヨタには厳しい防衛シーズンとなった。WECのLMP1ハイブリッドクラスで、ライバルで王者のポルシェ、強敵アウディに戦いを挑み、再びチャンピオンの奪還を目指し今シーズンに臨む決意だ。

■先ほど公開

トヨタは、世界耐久選手権に復帰した2012年以来3代目の新型車両となるTS050 HYBRIDを南フランスのポールリカール・サーキットで先ほど公開した。

■パワーユニットは日本製

最も大きな変更点は、パワートレインのコンセプトだ。2.4リッターのV型6気筒直噴ツインターボガソリンエンジンと、8MJへと性能アップしたハイブリッド・システムの組み合わせとなった
。この両ユニットは東富士技術研究所のモータースポーツユニット開発部で開発されている。

■2.4リッターV型6気筒直噴ツインターボ ガソリンエンジン

新世代の直噴ターボエンジンは、燃料流量が制限される現在のWECレギュレーションに最も適していると言われている。また、レース開発で得られた技術や知見は市販車にも活かされていくという。

■ハイブリッドを強化

モーター/ジェネレーター(M/G)によって減速時のエネルギーを回生する方式は、トヨタの市販車と同様で、TS050 HYBRIDの前後輪に装着されたM/Gによって、レース用に開発されたハイパワー型リチウムイオン電池にエネルギーが保存されたあと、最大効率でパワーブーストとして放出される。
昨年まで使用していたスーパーキャパシタからハイパワー型リチウムイオンへ変更。昨年の4MJから8MJへ対応させ、ここ数年の顕著な技術の進化を反映させている。

こういったTS040 HYBRIDの技術や、ターボエンジン技術は既に現行市販車に反映されている。WECを戦って得られた技術やノウハウは、次の市販車に活かしていくという。

■シャシーはドイツ製

新型パワートレインのコンセプトによって新たな冷却系が必要となった。また、ターボエンジンによって、大幅に向上したトルクを許容するトランスミッションを含む新パッケージングが導入された。このパワートレインに新たな空力コンセプトが組み合わされたTS050 HYBRIDのほぼ全てのシャシー部品は、ドイツ・ケルンのトヨタ・モータースポーツ有限会社(TMG)で設計されたという。

パワートレイン・コンポーネントの改良は、TS050 HYBRIDの空力パフォーマンス向上の向上にも貢献している。前輪M/Gユニットの小型化が、車体底部の空気の流れを大きく変え、全体のパフォーマンス向上の一因となった。

サスペンションの改良も、タイヤ摩耗を減らすことに貢献している。

■佐藤俊男(TOYOTA GAZOO Racingチーム代表)
今年、TOYOTA GAZOO Racingは全く新しい車両を投入します。我々のWEC活動は技術と人を育てる事にあり、これまでにもその結果が市販車に活かされています。我々の明確な目標は、再びシリーズで上位を争うことです。

■村田久武(レーシングハイブリッド・プロジェクトリーダー)
今シーズンのレギュレーションでは、燃料流量と燃料の総エネルギー量が約7.5パーセント削減されます。我々はV型6気筒直噴ツインターボガソリンエンジンこそが、新たなレギュレーションにおいて最もパワーと効率のバランスが良いと信じています。8MJを選択したハイブリッド・システムとの組み合わせは、これまでのパワートレインと比較しても際だって大きなトルクの向上を与えてくれるはずで、それこそが新型車両のキーとなる目標です。

■パスカル・バセロン(テクニカル・ディレクター)
前年に先行投入された一部を除き、ほぼ全てのパートを変更し、パワートレインや空力をはじめとする多くの箇所でコンセプト自体が変わりました。
空力コンセプトについては、特に車両前部が大きく変わり、フロントのダウンフォースを生みだす構造によって、後方の空気の流れも大きく変わりました。ライバルと競い合うことが最低限の目標であり、ライバルを上回ることが目標です。

■ロブ・ロイペン (TOYOTA GAZOO Racingチーム・ディレクター)
TMGにおいてモータースポーツという試練の場で新たな技術を学ぶべく、日本から加わるスタッフを我々は歓迎しています。チームとしてケルンと東富士での技術交換がさらに活発になって行くことはとても良いことです。今年こそは高い競争力を示せると思います。

●【画像7枚】新車画像はこちら

●小林可夢偉、中嶋一貴などドライバーコメントはこちら

前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック