F1ドライバーたちが、現在のF1運営体制に関して公式に疑問の声をあげた。
■今のままではF1の将来が危ういとGPDA
F1ドライバーたちによる任意団体GPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)が現在のF1のあり方を批判する公開状を発表。そこには、「最近行われたいくつかのルール変更」や「ビジネスに関する方向性」を見ると、F1が「壊滅」の方向へと向かっているようだと厳しい表現で現状への問題提起が行われている。
GPDAはその公開状に、現在のF1運営のあり方は「F1の将来を危うくしてしまうかもしれない」と書き、次のように付け加えている。
「それゆえ、ドライバーたちは、F1における意思決定プロセスは時代に即しておらず、健全な体質でもなく、(F1の)発展を阻害しているとの結論に達した」
■これはF1ドライバーたちによる反乱か?
本来、GPDAはドライバー同士がレースでの安全問題などを中心に議論するために設けられた団体であり、こうした政治的動きを行うことは非常に異例なことだと言える。
メディアの中には、今回の公開状に関してF1ドライバーたちが「反乱」「反逆」とも言うべき驚くべき行為に出たと表現しているものさえある。
だが、元F1ドライバーのアレックス・ブルツが会長を務め、ジェンソン・バトン(マクラーレン)とセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が理事を務めるGPDAは、この公開状は「盲目的かつ不遜(ふそん)な攻撃」として行ったものではなく、「個々のドライバーが誠意をもって」行ったものであることを理解して欲しいと主張している。
■以前から計画されていたことだとブルツ会長
また、開幕戦オーストラリアGPで導入された新予選方式が不評だったため、すぐにそれを撤廃する動きが出たことが報じられたのは記憶に新しいところだ。そして、GPDAがこの公開状を出したのがその数日後だったこともあり、今回の行動はそうした動きに敏感に反応したものではないかと考える者もいる。
だが、ブルツは今回の公開状は実はもっと以前から準備されていたものだと『BBC』に次のように語った。
「今回の声明は、かなり以前からドライバー全員によってよく検討され、計画されていたものだ。そしてメルボルンで再び話し合いを行ったよ」
ちなみに、GPDAは任意加入団体であり、すべての現役F1ドライバーが加入しているわけではない。