F1開幕戦オーストラリアGPで大クラッシュを喫したマクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソは、ひざの痛み程度の軽症で済んだ。
アロンソは、17周目に3コーナーのブレーキングゾーンで前を走るエステバン・グティエレス(ハースF1)のリアタイヤと接触。一瞬宙に浮いたあと、高速で横転しながらタイヤバリアに激突して止まった。マシンは跡形もなく大破したが、アロンソはすぐに自力で降りることができた。
メディカルセンターでの検査の結果、病院に行く必要はないという判断が下っている。
■生きているのはFIAの安全基準のおかげ
アロンソはメディカルセンターを出ると、「大丈夫だ」とスペインのリポーターらに話した。
「肉体的には問題ないよ。ただ、どこもかしこも少し痛い。あのスピードで激しく振り回されたからね。一番気になるのはひざだ。ステアリングコラムにぶつけた。でも、すごくラッキーだったと思う」
「恐ろしい瞬間だった。ここに立っていられることをうれしく思う。すごく感謝しているよ。安全基準のおかげだとFIA(国際自動車連盟)に感謝したい。安全基準があったからこそ、僕は今も生きているんだ」
■グティエレスに非はないとアロンソ
事故の原因について、接触したグティエレスの責任ではないとアロンソは話している。
「彼に非があるとは思わない。僕たちはコース上で戦っていたんだ。僕は、スリップストリームのアドバンテージを最大限に生かして、最後の瞬間に横に出ようとした。それが遅すぎたのかもしれない」
アロンソは、完走できなかったことをくやしがっている。
「状況を考え合わせると、完走してポイントを獲得できず、がっかりしている。それに、マシンが大破して、おそらくパワーユニットもダメになってしまったからね」
■赤旗中断でレース展開が変化
アロンソのクラッシュでレースは一時中断。これで損をしたのがスタートでトップに出て後続を引き離しつつあったフェラーリのセバスチャン・ベッテルだった。
「赤旗は僕たちの味方にならなかったと言ってもいい」とベッテル。
「それでも、最終的には3位ですごく満足しているよ」
赤旗中断の際に一番硬いミディアムタイヤに履き替えて最後まで走り切る戦略が功を奏し、優勝はメルセデスAMGのニコ・ロズベルグ、2位はスタートで出遅れたルイス・ハミルトンだった。
メルセデスAMGのトト・ヴォルフは、ハミルトンは今回の敗北を気にしていないだろうと『BBC』ラジオに話している。
「ルイスにとって痛手ではないと思うね。ペースは良かったし、足を引っ張ったのはスタートだ」
「大きな痛手にはならないだろう」