かつて7度F1王座についた伝説的元F1ドライバーであるミハエル・シューマッハのマネジャーが、今後もシューマッハの容体などについて情報公開するつもりはないと語った。
■徹底的な情報管理を行うシューマッハ側
2013年12月29日にフランスでスキー中に転倒し、岩に頭部を強打したシューマッハはその後長期のこん睡状態に陥っていた。2014年夏には意識が戻ったと報じられ、スイスの病院へ転院。その後同年11月からはレマン湖のほとりにある自宅で医師団によるリハビリ治療が続けられている。
だが、この間、シューマッハの具体的な状況などについてはまったくと言っていいほど開示されていない。シューマッハが今は話をすることができるのか、歩くことができているのかということさえ外部の人間には知る由もないというのが現実だ。
シューマッハの家族やマネジャーによる情報管理の厳しさには、批判的な声がないわけではない。
■ほかに方法はないとマネジャー
だが、マネジャーを務めるザビーネ・ケームは、シューマッハの家族には何も言わないという権利があると主張し、『Suddeutsche Zeitung(ズードイチュ・ツァイトゥング)』に次のように語った。
「現時点では、ほかに方法があるとは思いません」
ケームは、ひとたび何らかの情報を開示すれば、それがきっかけとなって新たな情報を求める声がより強くなるだろうと次のように続けた。
「何かを語れば、それが新たな要求を生むきっかけとなり、さらなる情報開示が求められることになります。そして、それらは決して終わることはないのです」
■本人もプライバシー尊重を望んでいた
そう語ったケームだが、いずれにしてもシューマッハが脳に損傷を受けてからすでに2年以上に及んでおり、その間のことを短い言葉で説明することなど不可能だと主張している。それは、シューマッハの回復はずっと「継続的」なものだからだという。
ケームは、47歳となったシューマッハも、自分のプライバシーを尊重して欲しいと考えているはずだと次のように付け加えた。
「ミハエルのプライベートライフは、あの事故の以前から固く守られていましたし、誰もがそれを受け入れていました」