ザウバーが、今年も財政危機を抱えた厳しい状態で新しいシーズンを迎えることになりそうだ。
1年前、開幕戦が行われたメルボルンで2014年に控えドライバーを務めていたギド・ヴァン・デル・ガルデから契約不履行で訴訟を起こされたザウバーは、その裁判に敗訴。一時はチームの存続も危ぶまれる状況となっていた。
ザウバーでは、本当はヴァン・デル・ガルデと2015年の契約を結んでいたのだが、さらに巨額のスポンサー資金を持ち込めるドライバーと契約し、一方的にヴァン・デル・ガルデとの契約を破棄していたのだ。
そのときはヴァン・デル・ガルデに和解金を支払うことで難を逃れていたザウバーだが、今年も相変わらず苦しい財政状況が続いているようだ。
スイスの『Blick(ブリック)』紙が報じたところによれば、ザウバーのヒンウィルのファクトリーでは300人以上のスタッフが勤務しているが、彼らへの給与支払いが遅れているという。
共同オーナーでもあるチーム代表のモニシャ・カルテンボーンは、「ええ、それは事実です」と認め、次のように続けた。
「2月の給与の一部がいまだに支払えていません。これに関しては本当に申し訳なく思っています」
「今はもっともコストが圧迫する時期なんです。そして手続き上の問題により、海外からのスポンサー資金送金が滞ってしまっているのです」
「現在の問題を解決し、この不運な状況からすぐに抜け出せると思っています」
「過去何年にもわたって行ってきたように、私たちはこれからも戦い続けます」
だが、ザウバーにとって2016年シーズンは競技面でも昨年より厳しい年になりそうだ。
ザウバーは今年もフェラーリの2016年仕様パワーユニットを搭載するものの、今年から実質的にフェラーリのBチームだと言われるハースが参戦を開始することになっており、フェラーリとしてもそちらのほうにより注力していくことになるのは避けられそうにないからだ。