今年のF1開幕戦オーストラリアGPまであと2週間となったが、いまだにどういう予選方式となるのかが不透明な状況だ。
■予選方式は原案を一部修正か
2月下旬に行われたF1委員会において、今年から予選の各セッションで90秒ごとにドライバーがひとりずつ脱落していくという、いわゆる「いす取りゲーム方式」の予選方式を採用することが合意された。
だが、F1商業権を管理するFOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)を率いる最高責任者は、それを管理するソフトウエアの準備が今シーズン序盤のレースには間に合わず、早くても5月15日に決勝が予定されているスペインGPからの実施になるだろうと語っていた。
だが、各チームの首脳陣とFIAのF1競技委員長であるチャーリー・ホワイティングが2日(水)に話し合いを行った結果、新たな解決策が見いだされ、メルボルンで行われる開幕戦オーストラリアGPから新方式を導入することが可能となったと伝えられていた。
その解決策とは、予選Q1とQ2ではこれまでの計画通り、開始からそれぞれ7分と5分を経過した時点から90秒ごとに1名ずつドライバーが脱落していくというやり方に変わりはない。だが、最後のQ3については、残った8名のドライバーがこれまでのようにセッション最後までポールポジションをかけてタイムを出しあうという形にするというものだ。
■正式決定されていないのが現状
だが、この一報が報じられたあとで、ある関係者がその方式についてはまだ正式に合意されたわけではないと主張したと伝えられた。
もちろん、この予選方式が正式に認められるためには、4日(金)にジュネーブで開催される世界モータースポーツ評議会で承認を受けることが必要となるわけだが、その前にストラテジー・グループやF1委員会を再招集し、最終的な実施案に関して合意をすることが手続き上必要だというわけだ。
『SID通信』によれば、マクラーレンのレーシングディレクターを務めるエリック・ブーリエも、2日の会合で合意されたものは「最終決定ではない」と認め、「あれはただの話し合いに過ぎなかった」と語ったという。
■実際の導入タイミングは未定
だがブーリエは、予選Q1とQ2は90秒ごとにひとりずつノックアウトされる新方式となるが、Q3にかんしてはこれまでと同じ方式がとられることになると信じていると語り、次のように付け加えた。
「導入される日がいつになるかは分からないよ」
FIAの広報担当者マッテオ・ボンチアーニも、具体的にどのタイミングで新予選方式が導入されるのかということに関しては語ろうとはしなかった。だが、ボンチアーニは、これまで導入が遅れると語ったのはエクレストンだけだと示唆するように、『SID通信』に対して「そうできないということに関して話をしたことなどまったくない」と主張したという。
いずれにせよ、今年のF1開幕戦の予選がどういう方式で行われるのか、それがはっきりするまでにはもう少し時間が必要なようだ。