ロータスを買収し、今年から再びフルワークス体制でF1に臨むルノーだが、今後すぐに2017年型車の開発に取り掛かることになると伝えられている。
昨年12月に正式にロータスを買収することを発表したルノーだが、チームでは急きょメルセデスエンジン搭載用に設計されていたロータスのマシンをルノーエンジン用に修正しなくてはならなかった。このため今季のルノーRS16は、妥協の産物だとも言われており、ルノーとしては2016年シーズンは大きくレギュレーションが変わる2017年に向けての移行期だととらえているようだ。
■今シーズン中に改良型マシンの投入も?
だが、新たにルノーのレーシングディレクターに就任したフレデリク・ヴァスールは、母国フランスの『L’Equipe(レキップ)』からの質問に対し、場合によってはシーズン中にBスペックと言うべき改良型マシンを投入する可能性を否定しなかった。
「シーズンの間に、もっとすぐれたクルマを投入することになるかって?」
「まずは、メルボルン(開幕戦オーストラリアGP/3月20日決勝)で自分たちがどういう位置にいるかを確かめ、その後2017年には具体的にどういうレギュレーションが導入されるかを確認することになるだろうね」とヴァスールは答えた。
■少なくともトランスミッションを造り直すことはない
だが、エンジニアリング責任者のアラン・パーメインは、『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に対し、少なくとも2016年仕様トランスミッションに関しては造り直すことはないだろうと次のように語った。
「我々は(ギアボックスを)途中でルノー製パワーユニットに合わせたが、第二段階として、この中間的な解決策を改善していくよう努めることになる」
「だが、新しいトランスミッションを造ることはないだろう」
■2014年よりも大きく改善されたルノーエンジン
昨年はメルセデス製パワーユニットを搭載していたロータスだが、2014年まではルノーのエンジンを使っていた。パーメインは、2014年のものに比べればルノーの最新パワーユニットは大きく改善していると次のように続けた。
「当時(2014年)とは比較にならないね。ドライバビリティーは素晴らしいし、エンジン開発担当者の雰囲気もかなり変わっているよ」
「彼らは計画を持っているし、もう今後は間違った方向へ行くのではないかと恐れたりなどしていないよ」
パーメインの言葉から受ける印象では、ルノーが今季中に大きく改良したF1カーを準備するという可能性はあまり高くなさそうだ。
■ルノーの視線は2017年に向いていると元オーナー
一方、昨年までロータスのオーナー兼チーム代表であった投資会社ジェニイのジェラルド・ロペス代表は、今も株主の1人として新生ルノーにかかわりを持っている。
そのロペスは、ルノーは今後すぐに新たなレギュレーションが導入される2017年に向けたクルマの開発に取り掛かることになるだろうと次のように語った。
「ほかの多くのチームとは違い、我々は2017年からの新世代F1カーに最大限に集中していくことができる」