現在のF1は以前に比べて魅力が薄れたと言われることが多い。だが、元F1ドライバーであり、アメリカンモータースポーツの大御所として知られるマリオ・アンドレッティ(75歳)がこれに対して反論を展開した。
1960年代終盤から80年代序盤までF1で活躍し、1978年にはF1タイトルも獲得したアンドレッティは、有名なインディ500やデイトナ500も制したことがある伝説的ドライバーだ。
■今がF1にとって最高の時期
75歳のアンドレッティは、F1はまさに今最高の時期を迎えているとスペインの『El Pais(パイス)』紙に次のように語った。
「昔は最高だったと言う者はいつの世にもいるものさ」
「だが、私は常に前を向いていたいんだ。今がまさにF1にとって輝ける時代だよ。世界中から人気を集めているし、最高のテクノロジーがある」
「かつても素晴らしいチームもあったし、偉大なドライバーたちもいた。だが、私はそれらが遂げてきた進歩が好きなんだ。もし私が30歳若返って今ドライバーになれるとしたら何でもするよ」
■F1チャンピオンの資質も変わらない
さらに、アンドレッティは現在のF1ドライバーはかつてのような「ヒーロー」ではないと言うのは間違っていると次のように続けた。
「今日のチャンピオンたちも、かつての時代のチャンピオンたちと変わらないよ。そして逆もまた真なりだ。唯一違いがあるとすれば、昔のサーキットやクルマはもっと危険だったということだね」
■F1改革案は推進すべき
そう語ったアンドレッティだが、F1が今後再び幅広でグリップの高いタイヤを導入し、1,000馬力もの出力を発生するエンジンを導入しようとしていることについては賛成だという。
「どんなドライバーだってもっとパワーが欲しいと言うよ。それにファンだってより速いクルマを見たいと思っている。ファンは非常に大切だし、我々はそれを忘れてはならないからね」
そう語ったアンドレッティは、次のように付け加えた。
「今、F1カーをもっと扱うのが難しいものにしようという話し合いが行われているが、それによってさらに注目も集めるだろうし、どのドライバーがより才能があるのかということも見えてくるだろうね」