レッドブルは、2016年シーズンを迎えるにあたって、あまり大きな期待は抱けないと考えているようだ。
2010年から4年連続でF1王座に君臨していたレッドブルだが、2014年に新レギュレーションが導入されてからは低迷が続いている。エンジンパートナーとのルノーとの関係も悪化していたが、今年もルノーからエンジンの供給を受けることになっている。ただし、そのエンジンはルノーではなくタグ・ホイヤーと呼ばれることになる。
■マクラーレン・ホンダやトロロッソとの争いを予想するニューイ
現在はF1の第一線からは一歩退いている技術責任者のエイドリアン・ニューイは、イギリスのテレビ局『Sky(スカイ)』に今季の展望を次のように語った。
「予想めいたことを言うつもりはない。だが、ホンダはマクラーレンのためにうまく改善してくるだろうと確信しているよ。1年落ちのフェラーリエンジンを搭載するトロロッソでさえパフォーマンス的には前進を果たすだろうね。だから、我々がどういう位置になるのかということをはっきりと予測するのはすごく難しいよ」
■ルノーエンジンの向上を期待するホーナー
今年からフルワークス体制で臨むことになったルノーだが、内部関係者によれば昨年のパワーユニットよりも今年は50馬力ほど向上しているという。
レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、イルモアのマリオ・イリエンがより深くその開発にかかわることで、その成果がさらに大きなものになるだろうと期待している。
「様子を見よう。常に希望はあるものさ。マリオは素晴らしい仕事をしているよ」
■賭けるなら、やはりメルセデスAMG
そう語ったホーナーだが、『Speedweek(スピードウィーク)』に対しては、今年はレッドブルがメルセデスAMGに挑戦することはできないだろうと次のように語っている。
「レギュレーションは実質的に変わっていないし、メルセデスAMGとの大きな差を考えれば、今年も彼らが支配することになると思うよ」
「ブックメーカーたちがどういう賭け率を設定しているかは知らないよ。だけど、彼ら以外に賭けるのはいい考えだとは思えないな」
■すべてはルノーエンジン次第
レッドブルの一員としてシミュレーター作業などに取り組んでいるセバスチャン・ブエミも、今年のレッドブルがどれほどの活躍を見せられるかどうかはよく分からないと考えている。
「マクラーレンのようなビッグチームが後ろに控えているしね。だけど、レッドブルもいい仕事をしているよ」
『motorsport-magazin.com』にそう語ったブエミは、次のように付け加えた。
「ルノー(エンジン)がどれほどの進歩を見せるか次第だね」