3日(水)にルノーが2016年から再開するフルワークス参戦に向け、チーム体制に関する発表を行った。だが、そこで公開された2016年型F1カー「RS16」は“本物”ではなかったようだ。
■発表イベントで使われたのは実車にあらず
発表イベントにおいて、ルノーの最高経営責任者であるカルロス・ゴーンは、「これが2週間後にバルセロナで目にすることになるルノーRS16です」と紹介していた。
ところが、イベント会場に設置されていたRS16は、実際には発表用に用意されたダミーモデルであったことがそのすぐ後に明らかとなった。
3日に発表されたRS16は、黒を基調とし、サイドポンツーンの前部などに黄色があしらわれたカラーリングとされていたが、実際にシーズンが開幕するときには、どうやらこれとは異なるカラーリングになりそうだ。
ルノーは、F1イギリスGPの開催サーキットであるシルバーストンからのメッセージに答え、ツイッターに次のように書き込んでいる。
「そちらへ行くころには違う色になっているよ」
■最終カラーリングは開幕戦までおあずけ
そればかりではない。3日の発表イベントにおいてメディアに公開されたRS16は、実際にはイベント用にあつらえられたもので、基本的にはロータスの2015年型車E23をベースに違う色に塗り替えただけのものであることが明らかとなった。
新ルノーF1チームのマネジングディレクターを務めるシリル・アビテブールは「これは展示用のクルマなんだ」と認め、次のように続けた。
「本物は来週組み立てが行われることになっている」
「(本当の2016年型車は)まだ公開していないが、テストには持ち込むつもりだ」
「そのとき(テスト)はこのカラーリングだが、2016年型車になる。そして、メルボルン(開幕戦オーストラリアGP)が近くなったときに、最終的なカラーを公表することになるよ」
■RS16はロータスE23をベースとしたもの
伝えられるところによれば、22日(月)からバルセロナで始まる今年最初の公式シーズン前テストで公開される本物のRS16は、ロータスE23とそれほど大きく変わったようには見えないだろうと言われている。
『Globo Esporte(グローボ・エスポルチ)』のリビオ・オリッキオ記者は、あるルノー関係者から聞いた話だとして次のように書いている。
「RS16は基本的に新しいパワーユニット搭載するために昨年の選手権で使われた最終バージョンのクルマに手が入れられたものだ」
新ルノーチームのシャシー担当テクニカルディレクターに就任したニック・チェスターもそれを否定していない。
「非常に短期間のプログラムだった。だが、シャシーの認証を得られたということは、我々が素早く対応し、素晴らしい仕事をやってのけたということだ」
■2017年に向けた基盤づくりを目指す
そう語ったイギリス出身のチェスターは、次のように続けた。
「シーズンを通じて開発を続けていくためのしっかりとした基盤が欲しいんだ」
「サーキットに登場する最初のクルマは、何の驚きももたらさないはずだ」
「我々はクルマをよりよくし、2017年に向けたプロジェクトの基盤を構築するために、あらゆる部分に取り組んでいくことになる」とチェスターは付け加えた。