最近、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)のジャン・トッド会長が、F1レースの面白みを増すために、かつて行われていたレース中の再給油を復活させることを検討すべきだと語ったことが報じられていた。
だが、ウィリアムズがこの案に対しては断固反対だとの立場を表明した。
■レース中の給油復活には反対だとウィリアムズ
「私は再給油には非常に反対です」
チーム代表を務めるウィリアムズ創設者フランク・ウィリアムズの娘であり、現在はチーム副代表のポジションにあるクレア・ウィリアムズはそう語ると、次のように続けた。
「メーカー各社はこのハイブリッド方式パワーユニットのために巨額を投じてきました。それは市販車との関係もありますし、エネルギーの効率化に関する議論にも関係するものです」
「湯水のように燃料を使うF1に戻そうというのは完全に間違ったメッセージだと思います」
■再給油復活はコスト増大にしかつながらない
ウィリアムズの技術者たちもクレアの意見に完全に同意している。
パフォーマンスエンジニアリング責任者のロブ・スメドレイは、「それ(再給油)によって見せ場が増すことはなく、コストは増大してしまう」と主張。
さらに、チーフテクニカルオフィサーを務めるパット・シモンズも次のように語った。
「私も再給油には強く反対する。(F1における)財政状態が困難な時期にあって、それは非常に高くついてしまう」
「それに、最近の証拠は、それ(再給油)がレースを非常に損なうことにつながるのを示してきたと考えている」
■新ルール導入はもう1年遅らせるべきだ
そう語ったシモンズは、F1の魅力アップのために2017年からルールを大幅に変えようとしているものの、その具体的手段などに関して意見の統一が見られない現状をかんがみれば、ルール変更は2018年まで遅らせるほうがよいだろうと次のように主張した。
「新ルールの導入を2017年ではなく、2018年からにできればうれしいね。そうすれば、実際に何を行うことが必要なのかということを適切に調査することができるよ」