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トト・ヴォルフ、バーニー・エクレストンは友であり敵でもある

2016年01月12日(火)19:06 pm

メルセデスAMGのビジネス担当エグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフが、最近何かと反目しあう関係となっているF1最高責任者のバーニー・エクレストンとの意見の相違などについて語った。

『Tiroler Tageszeitung(チロラー・ターゲスツァイトゥング)』紙から、クリスマスは楽しめたかと質問されたヴォルフは、次のように答えた。

「それは25日のクリスマスの話? それとも26日のほう?」

このヴォルフの発言は、エクレストンが最近行ったコメントにひっかけてのものだった。エクレストンは、F1の会議においてヴォルフがクリスマスの日付を変えようと言えば、政治的にメルセデスAMGと同じ立場に立つ者たちは盲目的にそれに従うだろうとの発言を行っていた。

■エクレストンの懸念も理解はできる

「まず言っておくことは、我々は“フレネミー”なんだ」

フレンド(友)とエネミー(敵)を組み合わせた造語を用いて85歳となるエクレストンとの関係を説明したヴォルフは、次のように続けた。

「個人的なレベルでは、我々は友人同士だし、夏には一緒に休暇を過ごしたりもしたよ」

「一方、(F1の)主催者として彼が心配していることも当然理解はできる」

エクレストンが懸念しているのは、音の小さくなったハイブリッド方式のF1エンジンが導入されて以降、メルセデスAMGが圧倒的な強さを見せつける状況が続いており、「ショー」としてのF1人気に陰りが出てきていることだ。

■メルセデスAMGも妥協点を模索

だが、ヴォルフは「“自己満足”という言葉がある。だが、我々はそれには当てはまらないよ」と語り、メルセデスAMGが強過ぎることについて不満の声があることについても、それは日和見的なものに過ぎないと次のように主張した。

「想定されたアドバンテージを得るために、こうした状況をうまく利用しようとするグループもある。私はそんなことをするつもりはないが、そういうアプローチもあるということは受け入れるよ」

「バーニーの視点から見れば、私もそれは理解できる。彼には売ることができる一級品のエンターテインメントが必要だからね。だからこそ“メルセデスAMG時代”は理想的ではないわけだ」

事実、エクレストンは、現状では民主主義的なプロセスが必要だとはなっているものの、自分としては今の状況を変えるためにはそうしたことを無視してもやり遂げると主張している。

ヴォルフは、そうしたエクレストンの言動は真剣に受け止める必要があると次のように続けた。

「バーニーがやることに関しては、すべて真剣に受け止めるべきだよ。だが、彼の後ろにくっついているほかの多くの連中は、ほえるだけでかみつくことはできない犬だと見ている」

「同時に、我々は妥協点を見いだそうと努力しているところだ。自分だけのことしか考えない強硬派のようなまねはできないからね。魅力のある基盤を整えることが必要だよ」

■F1とMotoGPは単純比較できない

中には、F1は世界最高峰二輪選手権であるMotoGPに学ぶべきだと主張している者もいる。そこでは誰よりもライダー自身がヒーローであり、レースも非常に厳しい戦いが展開されるからだ。だが、ヴォルフはそうした意見はあまりにも単純過ぎると主張している。

「それはリンゴとナシを比べるようなものさ。F1のテレビ観戦者はMotoGPよりはるかに多いんだ」

「MotoGPがいいのは生で見るときだ。戦いは見応えがあるし、ライダーたちが無線で走り方を指示されるようなこともない。それに、空力の問題などほとんどないに等しいからね」

「そうしたところからは、我々も学ぶことができるね」とヴォルフは付け加えた。

■時代はハイブリッド

だが、ハイブリッド時代を迎えたF1に関しては誤った批判を受けることもあるものの、F1もMotoGPに負けず劣らず素晴らしいものだとヴォルフは続けた。

「予選で1,000馬力以上のパワーが発揮されていた80年代のターボ時代を除けば、我々は近代ではもっとも力強いエンジンを手にしている」

「我々はこの製品の魅力をうまく伝えることができていないだけだ。その理由は、いくつかのライバルたちやバーニーさえもがこの技術に対して中傷を行っているからだ。だが、これからはハイブリッドだよ!」

「ハイブリッドエンジンはより軽量で、より速く、効率性も高い。そして従来の自然吸気エンジンよりもさらにパワーがあるんだ。もちろん、テクノロジーがドライバーたちを支配するようなことになってはならない。だが、クルマに関していくつか細かいところを変えれば、2017年にはこの惑星上で最速のクルマを見ることができるようになるはずだ」とヴォルフは付け加えた。

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