エンジンのエキスパートであるマリオ・イリエンは、ルノーエンジンが2016年シーズンの早い段階から改善を見せられるのではないかと話している。
イリエンは、レース専門のエンジンメーカーであるイルモアを率い、苦戦が続くルノーのパワーユニット開発に加わる。しかし、ルノーがF1残留を決めたのは12月のことであり、貴重な開発時間が失われた。
「32トークンあればかなり多くのことを変えられる」とイリエンはドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌に語っている。
「しかし、時間的にはそうもいかない」
「ルノーと共に、限られた時間で何ができるか検討する必要がある」
文字通り一からの出直しが必要かと聞かれると、イリエンは「いや、そこまでひどくはない」と答えている。
「われわれは徐々に改善していく。シーズンの早い段階で進歩を見せられればと思っている」
だが、シーズン中にメルセデスAMGやフェラーリに追いつくことは無理だろうとイリエンも認める。
「それには1年よりもう少し長い期間が必要だろう」
「当然ながら、ほかも改良を進めるのだからね」
■代替エンジンは早くて2018年
イルモアは、独立系のサプライヤーとして低予算の代替エンジン開発にも名乗り出たが、この計画は今のところ棚上げとなっている。
「決定が下されるまで待たざるを得ない」とイリエン。「1月の会議がどう進むかによる」
F1最高責任者のバーニー・エクレストンやレッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、2017年からの代替エンジン導入を望んでいるが、イリエンはそれには間に合わないだろうと話す。
「それにはすでに遅すぎるだろう」
「現実的には2018年だろうと考えている」