マクラーレン・ホンダの2人のF1チャンピオンドライバーが、2016年シーズンは、昨年とはまったく違う戦いぶりを示すことができるはずだと語った。
2015年シーズンには伝説的コンストラクターであるマクラーレン・ホンダが23年ぶりに復活したが、その初年度は悲惨と言うべきしかない状況だった。
2009年のF1チャンピオンであるジェンソン・バトンはランキング16位、2005年と2006年のチャンピオンであるフェルナンド・アロンソは17位という成績でシーズンを終えている。
■マクラーレンには底力があるとバトン
それでも、バトンとアロンソは2016年以降のシーズンに向けて前向きなコメントを行っている。
「僕たちには多くの強みがある。それにマクラーレンに関しては彼らがこれまで何を達成してきたかを知らない者はいないと思う。今も同じチームだよ」
そう語ったバトンは、現在のF1においては開発が非常に制限されていることや、非常に複雑なパワーユニットが使われているということを考えれば、マクラーレン・ホンダにとって最初のシーズンが厳しい結果に終わったのも驚きではなかったと主張し、マクラーレンの「サイズゼロ」と呼ばれるシャシー哲学に関しても堅実に学ぶことができたと次のように続けた。
■2016年には少なくとも上位争いはできるはず
「今年(2015年)はパワーユニットや、クルマの空力に関することを非常に多く学んだよ。これまでのマクラーレンとはかなり違っているからね。だから今シーズンに学んだすごくたくさんのことを生かせるはずだ」
「この冬は僕たちにとって非常に重要なものだ。大きな変化をとげ、来年に大きな強さを発揮するためにね。今の位置にとどまりたいとは思わないし、トップに近いところで戦いたいと思う」
「僕たちがレースで勝てるかどうかはまた別の問題だ。でも、少なくとも来年は上位で争うことができると思っているよ」
■チーム内の雰囲気もいい
バトンは、2015年シーズンは残念な結果に終わったものの、マクラーレンも、そしてホンダも、誰もがばん回することができるという「自信」を持っていると主張し、次のように付け加えた。
「いい雰囲気があるんだ。多くの人たちがそのことに驚いているよ。だけど、本当にそうなんだ」
とは言うものの、マクラーレン・ホンダの2人のドライバーが、シーズン後半に向けて不満を抱え、あきらめの境地に立たされていたことを示す証拠もいくつかあった。例えば、ブラジルGP(第18戦)では2人が表彰台に上り、ファンに手を振るという自虐的パフォーマンスを演じていたし、トラブルによりクルマを止めたアロンソはピクニックチェアに腰掛けてあたかも昼寝をしているような姿をファンの前にさらしていた。
だが、そのアロンソでさえ、今後に向けて楽観的なコメントを行っている。
■ホンダとの仕事は楽しいとアロンソ
「僕はマクラーレンとの仕事を楽しんでいるし、ホンダのチーム内にある日本的な規律や日本文化とともに働くことも楽しんでいるよ」
「僕はものすごく満足しているよ。今年は結果という点では厳しかったけれど、来年(2016年)は今年よりも少し楽になると思っているんだ」
来年は1周あたり今年よりも2.5秒タイムを縮めることができるだろうと予想しているアロンソだが、バトン同様、2016年に優勝できるという自信まではないようだ。
■優勝が可能かどうかは分からない
「マクラーレン・ホンダとしてそれが達成できるかどうか、現時点ではまだ疑問符が付く状態だね」
そう述べたアロンソは、次のように続けた。
「チーム内には大きな期待がある。僕たちは困難なときにも団結していたと思うし、常に前を向いていた。だから、チームの2016年に向けた最大の目標は本来いるべきところに戻ることだし、競争力を発揮し、トップの位置を目指して戦うことだ」
「それによってタイトル争いができるかどうかは分からないし、優勝争いができるのか、あるいは何度か表彰台に上ることができるだけなのかも分からない。F1のような非常に複雑なスポーツではそれは分からないものなんだ」
■2016年はまったく違うシーズンに
具体的に優勝宣言するといったことは避けたアロンソだが、少なくとも今年は2015年シーズンとはまったく違う戦いぶりを示すことができるはずだと次のように付け加えた。
「今年の冬はいくつか大きな挑戦が待っていることは間違いない。チームが過去数か月の間に達成したことはすべて非常に論理的だったし、すごく前向きだったと思っている。来年はまったく違うシーズンになるという自信があるよ」