レッドブルでは昨シーズン限りでチームを離脱しフェラーリへと移籍したセバスチャン・ベッテルの後任として、2014年に19歳の若さでトロロッソからデビューしたばかりだったダニール・クビアトを2015年にレッドブルに昇格させていた。
だが、今シーズン序盤にはクビアトが思うようなレース運びができないことが多く、レッドブルのドライバー育成責任者であるヘルムート・マルコもそのパフォーマンスに苦言を呈していた。
だが、マルコは、現時点ではレッドブルには少なくともドライバーの問題は全く存在しないと次のように語った。
「ドライバーたちには全く問題はなかったよ」
「シーズン当初、クビアトは技術的問題に苦しめられていたのだが、それが彼自身の問題だったと勘違いされていたんだ。そのときは彼がレッドブルのような優れたチームで走るのは難しいように見えていた。だが、実際にはそうではなかったよ」
「彼も今では非常に競争力が高い」
事実、シーズン後半に調子を上げたクビアトは、最終的にチームメートのダニエル・リカルドをポイント獲得で上回って見せている。
しかし、マルコは、2014年シーズン終盤にセバスチャン・ベッテル(現フェラーリ)がレッドブルを離脱することが明らかとなったとき、チームがその後任としてクビアトを選んだことが正解だったと証明するには少し時間がかかったのも事実だと次のように続けた。
「もちろん、ベッテルであれば彼の能力やパフォーマンスが常に高くて一貫性もあることは完全に分かっている」
「我々も、ルノーが最初は競争力と信頼性の高いパワーユニットを造ることができないだろうということは分かっていた。だから、そうした技術的な困難があってもあきらめないであろう若いドライバーのほうがいいと考えたんだ。実際、最初は非常に大きな問題に苦しめられていた」
そう語ったマルコは、次のように付け加えた。
「仮にフェルナンド・アロンソのようなドライバーだったら、多分年がら年中不満を口にしていただろうからね」