F1が行おうとしているルール改正によって、天才F1カーデザイナーと称されるエイドリアン・ニューイ(レッドブル/最高技術責任者)のやる気に再び火が付くかもしれない。
特にF1カーの空力処理において優れた独創性を発揮し、2010年から2013年にかけてレッドブルがF1タイトル4連覇を果たす立役者となったニューイ。だが、年々F1の技術レギュレーションが厳格化され、独創的な設計の幅が狭められたことによりF1への情熱が薄れてしまったニューイは、現在はF1プロジェクトの第一線を退き、世界最高峰ヨットレースであるアメリカスカップのプロジェクトなどに加わっている。
そのニューイに関しては最近、息子のハリソンが所属するF3チーム、ファン・アメルスフォールト・レーシングと契約したというような報道も行われていた。
この報道に関してはすでにファン・アメルスフォールト・レーシングも否定したが、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコがあらためてこうした事実はないと『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語った。
「そのことはすでにはっきりしているよ。ファン・アメルスフォールトが否定したじゃないか」
「我々は彼との間に柔軟な契約を結んでいるんだ。彼は要請に応じてF1やそのほかの活動に自分の時間を割いている。現時点での割合は半々といったところかな」
だが、マルコは、F1において2017年か2018年からはさらに高速で、攻撃的なクルマを導入する必要があるとの合意形成がなされた今、ニューイが再びF1にかかわる比率が高まる可能性もあると次のように続けた。
「エイドリアンは今年のクルマにもかなりの力を注いだよ。だが、以前のように100%というわけではなかった。彼は、自分が何をしようとレッドブルが勝てないことは分かっていたからね」
そう語ったマルコは、次のように付け加えた。
「だが、新しいシャシールールの導入により、彼が再び(成功の)味をしめることになるだろう」