ホンダF1プロジェクト総責任者の新井康久が、遅れを取り戻すためにホンダではシーズンオフも休日返上でエンジン開発に努めると語った。
23年ぶりに復活した伝説的チームであるマクラーレン・ホンダだが、言うまでもなく、2015年シーズンは惨めな結果に終わってしまった。かつて最強のF1エンジンメーカーとして名をはせたホンダが、V6パワーユニットという最新技術の粋を集めた高度なエンジンに予想以上に苦しめられてしまったのがその最大の原因だ。
新井は、ホンダがそのエンジンが抱えていた主要な問題を特定できたのは、シーズンも中盤にさしかかるころだったと認めている。それは、エネルギー回生システムであるERSからのパワーをどう配置展開させるかということだった。
新井は『Speedweek(スピードウィーク)』に対し、「その問題をシーズン中に解決することはできませんでした」と語っている。その問題を解決するためには、エンジンの設計段階そのものから見直しをするしかなく、シーズン中に認められていた“トークン”との引き換えによる開発では、その問題の根本的な解決は不可能だったようだ。
スペインの『AS』は、ホンダではその問題を解決するために、シーズンオフには休日返上で、ノンストップで開発に専念することになると報じている。
その記事の中で、新井は次のように語った。
「我々の哲学は今後も変わりません。しかし、それはまったく新しいエンジンになります。すでに設計が行われ、テストも開始されています」
「今後もやるべき仕事が山のようにあります。ですから、恐らく休暇はとれないでしょうね。働き続けるほうがいいと思っています」