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メルセデスAMG「エンジンコストの低減は必要」

2015年12月01日(火)17:43 pm

2015年のF1シーズンも、照明に浮かび上がるアブダビのヤス・マリーナ・サーキットでのレースで終わりを告げた。だが、今後のF1改革に向け、裏舞台では今後も激しい戦いが繰り広げられる可能性もまだ残されているようだ。

■クライアントエンジンの背景は政治力だとラウダ

「自分たちの利益だけを考え、権力を手にすることを望む者が大勢いるよ」

そう語ったのは、3度F1王座に輝いた伝説的元F1ドライバーであり、現在はメルセデスAMGの会長を務めるニキ・ラウダだ。ラウダは最近メルセデスAMGの実質的なチーム代表であるトト・ヴォルフ(ビジネス担当エグゼクティブディレクター)との関係が悪化していると伝えられている。

だが、ラウダとヴォルフは今週、そうしたうわさを否定している。実際のところ、先週行われたF1委員会において統括団体であるFIA(国際自動車連盟)が進めようとしている2017年から安価な“クライアントエンジン”を導入するという計画が否決されたが、ラウダとヴォルフはそれには反対だという立場で意見の一致を見ている。

ラウダはドイツの『Welt(ヴェルト)』紙に次のように語った。

「あれはコストとかそういう問題の話ではないんだ。現在のルールに対してあれほど大きな介入が行われるのは悪い冗談だとしか言えないね」

「あの背景にあったのは政治力だよ」

■極端な操作はF1をダメにする

今回FIAが提示した“クライアントエンジン計画”は、F1最高責任者であるバーニー・エクレストンと、FIAのジャン・トッド会長が、現在のF1で大きな権力を持つに至ったメルセデスとフェラーリに対する威嚇のようなものだったと考えている者も少なくない。

「私は、そのすべての議論は不必要であり、ばかげたものだと見ぬいていたんだ」とラウダは続けた。

「低迷の流れに入ってしまったスポーツを、そういう操作的なやり方で正常な形に戻すことはできない。もしそんなことをすれば、2年後にはまったく何も残らなくなってしまうだろう」

結局、F1委員会は妥協案に合意するということで決着を見た。それは、F1に参戦する自動車メーカーたちが、2018年に向けて現在のエンジンルールに関して再考を行うということだ。

それについては問題ないとラウダも考えている。

「小規模チームたちも余裕をもってエンジンを購入できるようになるべきだ。我々は彼らを助ける必要がある」とラウダは主張した。

■課題は技術とコストのバランス?

確執がうわさされる同僚のヴォルフも、この件についてはラウダと同じ意見だ。ヴォルフは、ドイツの『SID通信』に次のように語った。

「私は常々、FIAが中小規模のチームのためにエンジンの価格を下げたいと考えていることは正しいことだと言ってきた。それは、まったくもって素晴らしいことだ」

「現在のF1エンジンは複雑過ぎるかもしれない。だが、それは最先端技術の粋を集めたものだ。それを小規模チームとっても好ましいものにすることができるかどうか、我々はそれに取り組んでいるところだ」

そう語ったヴォルフは、そのことと並行してエンターテインメントの要素、すなわちエンジン音の改善にも取り組む必要があると付け加えている。

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