今季、トロロッソから20歳でF1デビューを飾ったサインツだが、そのデビューシーズンは17歳でのF1デビューが大きな話題となった3歳下のチームメート、マックス・フェルスタッペンの陰に隠れる形となってしまった。
■ランキングでは負けたものの予選はマックスを上回る
最終的なドライバーランキングでは、フェルスタッペンが49ポイントで12位だったのに対し、サインツは18ポイントで15位に終わっている。
だが、予選では10勝9敗でフェルスタッペンを上回ったサインツは、自分のF1デビューシーズンに満足できていると最終戦のF1アブダビGP終了後に次のように語った。
「ヘルムート・マルコ(レッドブルのドライバー育成責任者)は満足しているだろうと言えるよ」
「いろんな意味で、彼は驚かされたんじゃないかと思うよ。僕たちのシーズンの推移や、レッドブル・レーシングとも戦えたことなどでね。だから僕は楽観的だし、彼からいいニュースが聞けるのを待っているところだ」
“いいニュース”とはもちろん、来季の契約締結のことだ。
■エンジン問題で揺れるトロロッソ
だが、トロロッソではまだ来季のエンジンがどうなるのかについて正式な発表を行っていない。親会社であるレッドブルではルノーからエンジンの供給を継続して受けることになると考えられており、トロロッソではフェラーリの2015年仕様エンジンの供給を受けることでほぼ確定していると見られている。
しかし、ルノーが最終的にどういう決断を下すかによって、レッドブルとそのジュニアチームであるトロロッソに関しても、まだ先行き不透明な部分が残されているのも事実だ。
そんな中、サインツは、アブダビにおいてトロロッソの2016年のエンジンがフェラーリ製となることをほのめかす発言を行っている。
「2016年にはもっとパワーのあるエンジンになることを期待しているよ」
■トロロッソがさらにイタリアのチームらしくなる
そう語ったサインツは、次のように続けた。
「まだサプライヤーの名前を話すわけにはいかないんだけど、今後は僕たちがもっとイタリアのチームらしくなるかもしれないと思っているんだ」
オーナーは世界的エナジー飲料メーカーのレッドブルだが、ファエンツァに本部を置くトロロッソは登録上はイタリア籍のチームだ。現在フランスのルノーからエンジン供給を受けているトロロッソだが、フェラーリエンジンを搭載することになれば、よりイタリアのチームとしてのカラーが強くなることは確かだろう。
一方、トロロッソのエンジンはどうなるのかとアブダビで質問を受けたレッドブルのクリスチャン・ホーナー(チーム代表)は、次のように答えている。
「私はレッドブル・レーシングに関することだけしか言えないよ。トロロッソに関してはフランツ・トスト(トロロッソ/チーム代表)に聞くべきだね」