FIA(国際自動車連盟)は、チーム間の提携のあり方をあらためて明確化した。
風洞施設や空力シミュレーションの使用時間はルールで規制されているが、フェラーリは来季F1に参戦するハースF1と提携し、その開発を行うことで、規定の時間を超えて開発を有利に進めているのではないかと疑われていた。
メルセデスAMGは、F1第19戦アブダビGPでスチュワードに対し、チーム間の提携のあり方を明確にするよう求めた。これを受けてFIAは、ルールを明確化した書面を29日(日)に各チームに送った。
FIAはこの書面で、チーム間で共有できるものは何かを明確にすると共に、今後禁止される項目も列挙している。『Motorsport.com』がその内容を伝えている。
禁止項目には、チームスタッフやコンサルタントが空力開発で得た情報を異なるチームと共有することや、空力開発にかかわるスタッフが「ガーデニング休暇」と呼ばれる期間を取らずに短期間でチームを異動することなどが挙げられている。
■フェラーリに違反はないとの裁定
アブダビGPのスチュワードは、フェラーリとハースF1から提出された証拠から違反は見付からなかったとしている。
しかし、今回あらためて禁止された項目は、フェラーリとハースF1が行っているのではないかと疑われていた内容だ。FIAは、今回の明確化によって、技術提携を利用して開発を有利に進める道を閉ざしたとも言える。
フェラーリのチーム代表マウリツィオ・アリバベーネは、今回のFIAの動きにも余裕の表情だ。
「常々言ってきた通り、われわれは透明性を確保している。そのため、ハースとの仕事を始める前にFIAに確認を求め、承認を得た」
「あるチームがさまざまな面についてFIAに明確化を求めたが、それは当然のことだ。それを受けてFIAは明確化した。万事問題ない」