ホンダがほかのエンジンメーカーとの差を埋められないのは、開発を規制するルールがあるためだとマクラーレンで長年チームコーディネーターを務めていたジョー・ラミレスが語った。
74歳になるラミレスは、マクラーレン・ホンダが無敵の強さを見せたセナ・プロスト時代を知る人物だ。そのラミレスも、現在の苦戦には驚いたとスペインの『AS』紙に語っている。
「これほど困難だとはホンダも考えていなかった」とラミレス。「誰も考えていなかった」
現在は、開発できる部分やその程度がルールによって厳しく規制されており、ホンダが追いつくのに時間がかかっているのもそのためだとラミレスは話す。
「ルールがこうでなければ、ホンダは今ごろ良いエンジンを造り上げていただろう。あるいは、はるかに良いエンジンにしていたと私は思う」
「実際のところ、ホンダはすでに進歩している。ただ、十分ではないんだ。最初4.5秒あった差が、今は1.5~2秒になっている。しかし、最後の数秒を縮めるのが最も難しいのも事実だ」
マクラーレンのフェルナンド・アロンソは、来季までに2.5秒縮められると話している。
「正直言って、こういうルールである以上、それは不可能だろう」とラミレス。
「彼は特に優れたドライバーの一人だ。だから早くまた勝てるようになってほしい。現状では卓越したドライバーが無駄になっているからね」
自動車メーカーのF1参入を促すことも現在のハイブリッドエンジン導入の理由だったが、それは失敗に終わっているとラミレスは話す。
「何が起きているかを見てみたまえ」
「ルノーやホンダに起きたことを見て、ほかのメーカーが参入するかね? 彼らが日曜にF1をやっているのは、月曜に車を売るためなんだよ」