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安価な“クライアントエンジン”は実現しないだろうとザウバー

2015年11月23日(月)19:10 pm

F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)が2017年から導入を進めようとしている“クライアントエンジン”問題に関し、唯一の女性F1チーム代表であるザウバーのモニシャ・カルテンボーンがそうした議論は無意味だと主張した。

小規模プライベートチームであるザウバーは、これまでずっとF1エンジンの価格を下げるべきだとの主張を繰り返してきていた。そうした背景を考えれば、FIAが導入を計画している独立系エンジンメーカーによるエンジンは現行のV6パワーユニットよりもかなり低価格となることが予想されているだけに、今回カルテンボーンがその計画に異をとなえたのはかなり意外なことだと受け止められるかもしれない。

事実、カルテンボーンは、現在のエンジンサプライヤーから請求される料金はあまりにも高すぎると主張している。伝えられるところによれば、F1チームが支払うエンジン代金は1年に3,000万ドル(約37億円)程度だという。

「こうした価格はまったく正当な理由のないものです。メーカーが自分たちで作っているわけですからね」

『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』にそう語ったカルテンボーンは、次のように続けた。

「誰も、V8(2013年まで使用されていた自然吸気エンジン)レベルの価格に戻せと言っているわけではありません。しかし、中間的な価格にはする必要があります」

だが、現在ザウバーにエンジンを供給しているフェラーリでは、FIAのジャン・トッド会長が提唱したエンジンの価格に上限を設けるという案に対しては拒否権を行使している。このため、トッドはF1最高責任者であるバーニー・エクレストンと手を組む形で2017年から現行エンジンと、独立系メーカーによる“クライアントエンジン”を並行使用するという方針を打ち出したのだ。

「(FIAが掲げている)600~700万(ユーロ/約7億8,000万円~9億2,000万円)というのは素晴らしい数字ですし、私はフェラーリが現在のエンジンをその金額で提供してくれることを期待したいですね。ですが、私はそういうエンジン(独立系メーカーによる2.5リッターエンジン)が導入されるなんて、想像もできません」

そう語ったカルテンボーンは、結局この問題にも最終的にはフェラーリが拒否権を発動するに違いないと、次のように付け加えた。

「私たちはフェラーリが拒否権を発動したのを目にしたばかりです。どこかの時点ではこの話も途中で終わってしまうことが分かっているのに、どうしてそういう議論が出るのでしょう?」

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