モータースポーツ各カテゴリーのトップ選手が腕を競いあう「レース・オブ・チャンピオンズ」(以下、ROC)で、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が初優勝を果たした。
ベッテルはこれまで、ミハエル・シューマッハとともにドイツ代表を務め、国別対抗戦(ネイションズカップ)で6連覇を果たしていたが、個人戦では優勝がなかった。
21日(土)にロンドンのオリンピックスタジアムで行われたROCで、ベッテルは初めて決勝に進出すると、9度のル・マン王者であるトム・クリステンセンを破り、「チャンピオンの中のチャンピオン」の称号を初めて手に入れた。
「すごくうれしいし、優勝できて光栄だ。でも、ずいぶん時間がかかったよ! このトロフィーをワールドクラスのレーシングドライバーが大勢勝ち取ってきた。僕はそれを目指して何度もトライし、失敗してきたけれど、ようやく勝ち取れたよ」とベッテルは優勝の喜びを語っている。
■ヒュルケンベルグとリカルド、バトンとマッサが激突
ほかにF1ドライバーでは、ニコ・ヒュルケンベルグ(フォース・インディア)とダニエル・リカルド(レッドブル)が対戦してヒュルケンベルグが勝利。しかし、ヒュルケンベルグは準々決勝でベッテルに敗れた。
フェリペ・マッサ(ウィリアムズ)とジェンソン・バトン(マクラーレン)の対戦は、マッサに軍配が上がった。マッサは準々決勝で、元F1ドライバーで昨年のROC覇者であるデビッド・クルサードと対戦して敗退している。クルサードは準決勝でベッテルに敗れた。
ROCを最後に引退を表明していたウィリアムズの女性テストドライバー、スージー・ヴォルフは、同国出身のクルサードに敗れている。
ほかにも、ロマン・グロージャン(ロータス)は初戦でイギリスツーリングカー選手権チャンピオンのジェイソン・プラトーに敗れた。
今季DTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)で史上最年少チャンピオンとなったメルセデスAMGの控えドライバー、パスカル・ヴェアラインも、世界ツーリングカー選手権王者のアンディー・プリオーに敗れ、やはり初戦で敗退している。
■国別対抗戦では地元イングランドが勝利
20日(金)に行われた国別対抗戦では、ベッテルとヒュルケンベルグのドイツ代表が決勝に進出。しかし、プリオーとプラトーが組んだイングランド代表に敗れ、準優勝に終わった。
ドイツ代表は、準々決勝でオーストラリア代表と対戦。ベッテルがリカルドを、ヒュルケンベルグが2輪の王者ミック・ドゥーハンを破っている。準決勝では、世界ラリークロスチャンピオンのペーター・ソルベルグとクリステンセンの北欧代表と対戦し、いずれも勝利を収めていた。