NEXT...F1開催スケジュール

ハミルトンとロズベルグ、形勢逆転のきっかけは?

2015年11月19日(木)18:18 pm

今季、2年連続でチームメートのルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)にF1タイトルをさらわれてしまったニコ・ロズベルグだが、最近では両者の勢いが明らかに逆転してきている。

【結果】F1ブラジルGP決勝の順位、タイム差、周回数、獲得ポイント

第17戦メキシコGP、そして先週末の第18戦ブラジルGPでポール・トゥ・ウィンを飾ったロズベルグは、この勢いを2016年シーズンにもそのままつなげていきたいと考えている。

■2人の形勢逆転のきっかけは?

だが、どうしてあれほど圧倒的な強さを発揮していたハミルトンの調子が落ち、ロズベルグがこのところ強さを発揮するようになったのかについて疑問に感じている者も少なくない。

今シーズン中盤までは、ロズベルグが第5戦スペインGPでポール・トゥ・ウィンを飾るも、第12戦イタリアGPまではハミルトンが11回のポールを獲得し、圧倒的は速さを示していた。ところが、第13戦シンガポールGPでメルセデスAMGが謎の失速状態に陥ると、以後はこの形勢が逆転。ロズベルグが第14戦日本GP以降、先週末のブラジルGPまで5戦連続ポールを獲得している。

■空気圧ルールがロズベルグに有利に働いた?

なぜ、こういう展開となったのかということに関するひとつの仮説は、F1公式タイヤサプライヤーのピレリによってタイヤの空気圧に関するルールが厳しくされたことや、メルセデスAMGが9月下旬に行った技術的な修正が、ロズベルグの方に有利に働いたのではないかというものだ。

「今のルールは来年には変わらないから、それは僕にとっていいことだよ」とロズベルグもそれをほのめかすような発言を行っている。

だが、ハミルトンの方も、ロズベルグに敗れたブラジルGP決勝後に、自分もレースに勝てるだけのペースで走ることができていたと主張。もしもチームがロズベルグとは違うピット戦略を取ることを認めていれば、自分が勝てたはずだとほのめかしていた。

しかし、これに対してロズベルグは次のように反論した。

「彼は自分のタイヤに関してすごく誇張しただけだ。僕の方がレースで速かったのは確かだからね。彼は僕の後ろで乱暴な走り方をしてタイヤをかなり使い過ぎていた。だから、僕たちはどちらも3回ストップせざるを得なかったよ」

「でも、僕の方が常に彼をコントロールすることができていた」

■ハミルトンの攻撃的コメントは動揺の証拠?

さらに、ロズベルグは、最近ハミルトンがことあるごとに自分に対して攻撃的なコメントを行っているのは、彼自身が動揺していることを示す証拠だと次のように続けた。

「彼は、僕が彼のF1タイトル獲得を祝うパーティーを少し台無しにしてしまったという事実によって苦しめられているんだ。今このときに、彼がいろんな発言や議論を行おうとしているのはそれが理由だと思っている」

だが、もうひとつの仮説もある。それはすでにタイトル獲得を決めたハミルトンが、本気を出していないのではないかというものだ。恐らくはパーティーのやり過ぎで疲労がたまっていることもあるのだろうが、2016年シーズンが始まれば、再びハミルトンが強さを見せてくるはずだと考えている者も少なくない。

■いずれにせよ、遅過ぎたロズベルグ復調

イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』は、「すでにF1タイトルの行方が決まってしまった状態にあって、(ロズベルグが)今になって勝てていることがどれほどの価値があるというのか?」と書いている。

メルセデスAMGのトト・ヴォルフ(ビジネス担当エグゼクティブディレクター)は、ロズベルグの連勝で終わった直近2レースを振り返って次のように語った。

「ルイスはすでに勝利を収めたし、目標を達成してしまった。だから、今の彼のアドレナリン量は以前ほど多くはないと言えるだろうね」

「だが、彼らはどちらも、どうしてこういう結果になったのか本当の理由は分かっていないと思うよ」

■来季はメルセデスAMGの前に出たいとフェラーリ

一方、2016年にメルセデスAMG内でハミルトンとロズベルグのどちらが優勢となるにせよ、フェラーリのチーム代表であるマウリツィオ・アリバベーネは、赤いドライビングスーツをまとったフェラーリドライバーが、タイトル争いに絡むことができるのを期待している。

アリバベーネは、『Suddeutsche Zeitung(ズードイチュ・ツァイトゥング)』紙に次のように語った。

「正直な期待を言えば、単に差を縮めるだけでなく、彼ら(メルセデスAMG)の前に出ることだ」

前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック