スウェーデン出身の元F1ドライバーであるステファン・ヨハンソンが、マクラーレン・ホンダは2016年には「大きな飛躍」を遂げるだろうと語った。
8度F1コンストラクターズタイトルを獲得した名門F1チームのマクラーレンだが、ホンダと組んだ今季はここまで苦戦の連続を強いられている。
かつてアイルトン・セナがチームを離脱した1994年にミカ・ハッキネンとともにマクラーレンのドライバーを務めたことのあるイギリス人元F1ドライバーのマーティン・ブランドルは、現在のマクラーレンは「危機的状況」にあるとコメントしているほどだ。
しかし、現在59歳となるヨハンソンは、自身のウェブサイトの中で次のように語った。
「私はまだ彼ら(マクラーレン・ホンダ)が来年には大きな飛躍を見せると信じているよ」
「彼らが何勝もあげるだろうとまでは言わないが、ここまで大きく低迷している状況から大きく脱却することは難しいことではないよ」
「問題は、より困難な状況となるであろう最後の5%(トップ)のところにいつ到達するかということだ」
1987年にマクラーレンに所属していたヨハンソンは、翌1988年にアイルトン・セナとともにホンダエンジンを迎えたマクラーレンが圧倒的な力を見せたことをよく覚えている。
そのヨハンソンは、かつてないほど複雑なパワーユニットの開発に関しても、もしもその開発を大きく制限する現在のルールがなければ、ホンダはすでに2015年シーズン中に大きな進歩を遂げることができていたはずだと考えている。
「それ(開発制限ルール)が今も続いていることは、私に言わせれば意味のないことだ」
そう語ったヨハンソンは、次のように続けた。
「開発禁止は、そもそもコストを妥当なレベルに留めるという目的で導入されたものだ。だが、その概念はすでにまったく用をなさないものとなってしまっているよ」
「ひとつのエンジンだけが成功を収め、ほかのメーカーには競争力を高めるために必要な開発が許されないというやり方がとられているのはばかげた話だ」
「そればかりか、テストすら許されないんだからね」
「もし、ありとあらゆるものをシャシーに搭載されたエンジンにつぎ込むことが許されていたならば、ルノーやホンダ、そしてフェラーリもすべてよくなっていたはずだよ。メルセデスほどではなくとも、間違いなくかなりその差は接近していたはずだ」
現在マクラーレン・ホンダが置かれている状況からすれば、2016年に向けては、割り当てられる“トークン”を用いて冬の間に大きく状況を改善できることを期待するしかないだろう。