NEXT...F1開催スケジュール

うそかまことか?レッドブルの「ノーブランドエンジン説」。イルモアは関与を否定

2015年11月06日(金)18:56 pm

独立系エンジンメーカーのイルモア・エンジニアリング創設者であるマリオ・イリエンが、2016年にレッドブルが搭載することになるパワーユニットに関して中心的な役割を担うことになりそうだとのうわさを否定した。

本来2016年まで締結されていたルノーとのエンジン供給契約を中途解除したレッドブルだが、そのほかのエンジンメーカーであるメルセデス、フェラーリはいずれも来季レッドブルへのエンジン供給を拒否。そしてホンダからの供給もマクラーレンから拒否されたことで、八方ふさがりとなっている。

だが、最近、レッドブルに新たな解決策が浮上したようだと報じられていた。

■レッドブルに来季ルノー製ノーブランドエンジン搭載のうわさ

伝えられるところによれば、レッドブルでは来週末に行われるF1ブラジルGP(15日決勝)で、ルノーの“Dスペック”と呼ばれる最新版パワーユニットの搭載を予定している。だが、同じく今季ルノーエンジンの供給を受けているジュニアチームのトロロッソではそのパワーユニットを搭載する計画はないという。

トロロッソに関しては、すでに来季はフェラーリから2015年仕様の旧スペックエンジンの供給を受けることでほぼ話がまとまるところまできていると言われている。だが、フェラーリはレッドブルに対しては1年落ちのパワーユニット供給さえオファーしなかったものと信じられている。

このため、現在最も有力な説となっているのが、レッドブルがルノーから“ノーブランド”のエンジンを購入し、イリエンの協力のもと、それに独自のエネルギー回生システムを組み合わせたパワーユニットを搭載することになるだろうというものだ。

■改良PU投入遅れは知的所有権問題が原因?

今回レッドブルがブラジルでデビューさせることになると見られているルノーの“Dスペック”エンジンは、イリエンの技術協力によって開発されたものだと言われている。そして、レッドブルとルノーの間にそれに関する知的所有権問題があったことが、そのエンジンの実戦投入が遅れた原因ではないかともうわさされている。

事実、その“Dスペック”はアメリカGP(第16戦)で投入することが可能な状態となっていたにもかかわらず、レッドブルでは、オースティンで行われたアメリカGPに続き、先週末のメキシコGPでもそれを搭載することはなかった。

もっとも、ルノーとレッドブルは、なぜ新スペックパワーユニットをその2レースで使用しなかったのかということについては、アメリカでは悪天候が予想されていたこと、そしてメキシコは標高が高いために投入するには適さないと考えていたためだと説明している。

一方、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、トロロッソがその“Dスペック”を使用しないのは、それを使用するためにはクルマの冷却システムに手直しを加える必要があり、その費用がかなりかかってしまうためだと伝えている。

■ルノーとレッドブルのことは知らないとイリエン

一躍渦中の人となったイリエンだが、レッドブルとルノーの間に知的所有権問題が発生していたなどということは知らないと次のように語った。

「私はそれに関しては何も知らないし、ルノーが改良版エンジンにどういう技術を組み込んだのかということも知らないよ」

「私としては、ルノーのような大企業が秘密裏に私の行った開発を組み込むなどということは想像できないね」

■イルモア、F1新エンジン供給の可能性は否定せず

そう語ったイリエンだが、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)によって明らかとされた2017年から現行パワーユニットと並行して、独立系エンジンメーカーによる2.2リッターV6ツインターボエンジンを導入する計画に関しては、イルモアとして興味を示す可能性はあるとほのめかしている。

すでにアメリカのインディカー・シリーズにシボレーの名前を冠した2.2リッターV6ツインターボを供給しているイルモアが、2017年からF1に参入する可能性は非常に高いと考えられている。

イリエンは、次のように語った。

「入札に参加するにはどういうことが必要なのか調べてみて、それからどうするか決めるよ」

前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック