レッドブルとルノーの2016年に向けた計画がだんだん明らかとなってきているようだ。
少し前までは、財政難に苦しむロータスの買収からルノーが手を引くことになるかもしれないと言われていた。また、その一方で、現在のF1エンジンサプライヤー4社からすべてそっぽを向かれた形のレッドブルにはF1からの撤退以外の道は残されていないのではないかともささやかれていた。
■レッドブル、2016年はルノーから「ノーブランドエンジン」を購入?
だが、ここへきて新たなうわさが広まり始めている。それによれば、レッドブルがルノーからエンジンを購入し、それに自分たちのブランド名を冠して使用することで、来季以降もF1を継続することになりそうだというものだ。
すでに、レッドブルとルノーが本来は2016年まで締結していた契約を中途で解約したことは明らかとなっているが、それとは別に、2016年にルノーのエンジンをレッドブルに販売することで合意に達したようだと見られている。
レッドブルでは、それにイルモアエンジニアリングのマリオ・イリエンや、オーストリアのエンジン専門メーカーであるAVL社の協力をえて、独自のERS(エネルギー回生システム)組み合わせるのではないかと言われている。
■ブラジルGPではルノーの最新スペックエンジンを使うレッドブル
こうしたうわさが強まった背景には、どうやらレッドブルがルノーの最新スペックパワーユニットを来週のブラジルGP(15日決勝)で使用することになりそうだというニュースが伝えられたことがあるようだ。
ルノーの最新版エンジンは、すでに第16戦アメリカGPの時点で用意されていた。だが、レッドブルではアメリカ、メキシコと連続で、グリッド降格ペナルティーを伴うことになるその新エンジンを使用してこなかった。だが、そのパワーユニットが、2016年にルノーから購入するノーブランドエンジンの基本型となると考えられており、急きょこれをテストするという方向性に向き始めたということのようだ。
レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコは、『Speedweek(スピードウィーク)』に対して次のように語った。
「(ブラジルでは)恐らく、少なくとも1台には新しいバージョンのエンジンを搭載することになるだろう」
■ルノーにロータス買収実現の兆し
一方、レッドブルとの関係に終止符が打たれたルノーでは、来年から自らのワークスチームを擁してF1にフル参戦するという意向を固めたようだ。
「基本合意書」と取り交わしながらも、なかなか実現の兆しが見えなかったルノーによるロータス買収だが、ここへきてルノーのスタッフたちが、ロータスの本部であるエンストンでの仕事を開始したようだと報じられている。
■新生ルノーF1にボブ・ベル加入か?
さらに、メルセデスAMGの元テクニカルディレクターであるボブ・ベルが、新生ルノーF1チームの責任者として迎え入れられるようだとのうわさもささやかれている。
ベルは今年の6月にマノー・マルシャのコンサルタントに就任していた。だが、マノー・マルシャでは、チーム創設者兼代表であるジョン・ブースとスポーティングディレクターのグレアム・ロードンが今季限りでチームを離脱することになると言われており、ベルに関してはすでにチームを離れたようだとも言われている。
フランスの『Auto Hebdo(オト・エブド)』によれば、ルノーの最高経営責任者であるカルロス・ゴーンが、正式発表に先駆けて、今週ロータスとの間で仮契約を調印することになっているという。
さらに、『Auto Hebdo(オト・エブド)』は、ルノーは2016年にはロータスというチーム名を継承することになるだろうと書いている。それは、パストール・マルドナードとジョリオン・パーマーというラインアップで戦う2016年を、本格的なワークスチームとしての活動に移すための移行期としてとらえているためだという。