F1に懐かしいグランプリの復活が続くことになるかもしれない。
【結果】F1メキシコGP決勝の順位、タイム差、周回数、獲得ポイント
先週、23年ぶりに復活したF1メキシコGPが開催されたが、予想以上の大成功を収めたようだ。
■メキシコGPに大きな賛辞を送るF1関係者たち
今季のF1ドライバーズタイトル獲得がすでに決まっているルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)も、メキシコでこれほど素晴らしいレースが行われるとは考えてもいなかったようだ。決勝後の表彰台で1992年にメキシコでの最後の勝者となっていたナイジェル・マンセルからインタビューを受けたハミルトンは、次のように答えた。
「これまで、こんな素晴らしい光景は見たことがなかったよ」
大観衆が取り囲むように設計されたスタジアムセクションの表彰台に立ったハミルトンは次のように付け加えた。
「これまでの僕のF1人生すべてを通じて、こんなのは見たことがないよ」
メキシコGPが開催されたエルマノス・ロドリゲス・サーキットには、収容可能人員数を超える13万人以上の観客がつめかけ、これまでの入場者記録を塗り替えてしまったという。
かつて3度F1王座に就いた伝説的元F1ドライバーであるニキ・ラウダも「運営とファンに関しては、これまで見たレースの中では最高だった」との賛辞を送っている。
■F1開催には多額の費用が必要
メキシコGP23年ぶりの勝者となったニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)は、F1がこれ以外にもかつて歴史を刻んだグランプリが復活するといいと思うと語りつつ、「でも、これほどのものを作り上げるにはどれだけ費用がかかるかということも知っているからね」とのコメントを行った。
F1ビジネス記者として知られるクリスチャン・シルトは、『BBC』に対し、貧困率が46%にも上ると言われるメキシコは、F1を開催するためにF1最高責任者のバーニー・エクレストンが運営するFOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)に対し、1年につき2,500万ドル(約30億円)を支払うことになっていると語った。
■アルゼンチンとの交渉を認めたエクレストン
近年、F1では積極的に新しい地域への市場拡大戦略をとってきていた。だが、アジアや中東地域における地元の支援は特筆すべきようなレベルではないとも言われている。
そして、今回メキシコGPが大成功を収めたことで、そうしたF1の方向性が大きく変わることになるかもしれない。
エクレストンは、先週末メキシコで、アルゼンチンともF1復活の交渉を行っていることを明らかにした。1998年までブエノスアイレスで通算20回開催されたことのあるアルゼンチンにも、情熱的なF1ファンが多いことで知られている。
「今彼らと交渉を行っているし、復活する可能性もあるよ」とエクレストンは語った。
■アフリカ大陸でのF1復活も視野に
また、1962年から1993年にかけて通算23回F1レースを開催していた南アフリカにも復活の可能性があると伝えられている。エクレストンも、現在唯一F1が開催されていないアフリカ大陸でのF1開催実現を視野に入れているという。
ハミルトンも、『BBC World Service(BBCワールドサービス)』に対して「あそこにはファンもすごくたくさんいるし、カレンダーに盛り込むべきレースのひとつだよ」とコメント。
メルセデスAMGの非常勤会長を務めるラウダも、南アフリカやアルゼンチンがF1復活を成功させたいと思うのであれば、メキシコに学ぶべきだと次のように語った。
「南アフリカやアルゼンチンの主催者たちは、ここで何が行われたのかということを調べる必要があると思うよ」