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F1に「エンジン選択制」の導入を計画するエクレストン

2015年10月25日(日)16:51 pm

大型ハリケーンの“パトリシア”接近によりF1アメリカGPの予選セッションが翌日へ延期されることになった24日(土)、F1最高責任者のバーニー・エクレストンが2017年からF1に別規格のエンジンを並行して導入する計画をしていることを認めた。

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「そうしなければいくつかのチームを失ってしまうことになるだろう」

そう語ったエクレストンだが、もちろんそこで言及しているのは、現在エンジンパートナー探しに苦慮しているレッドブルとトロロッソのことだ。ルノーとの決別が決定的だと言われてきたレッドブルだが、すでにメルセデスとフェラーリはレッドブルへのパワーユニット供給を拒否している。そして、最近ホンダも供給の可能性を否定したと伝えられている。

■ロン・デニスがレッドブルへのホンダエンジン供給を拒否

エクレストンによれば、マクラーレンの最高権威であるロン・デニスが、ホンダがライバルであるレッドブルへパワーユニットを供給することに関して拒否権を発動したのだという。

「とにもかくにも、彼ら(ホンダ)はロンに対して忠誠を誓っているし、ロンはレッドブルへの供給を拒否したんだ」

そう語ったエクレストンは、「ロンは“絶対にだめだ”と言ったよ」と付け加えた。

■2種類のエンジンから選べるようにしたいとエクレストン

そこでエクレストンが提示した新たなプランが、現在の1.6リッターターボとERS(エネルギー回生システム)が組み合わされた高価なパワーユニットと並行して、もっと安価で大音量を発生する2.2リッターV6エンジンを導入するというものだ。

これは恐らく、現在アメリカのインディカーで使用されているエンジン規格をベースとするものだろうと考えられており、想定されているサプライヤーはコスワース、もしくはイルモアではないかと言われている。

現在のパワーユニットに比べればコスト的にもかなり抑えられたものとなるはずで、現在財政的に苦境に立たされている小規模F1チームにとっても朗報となるはずだとエクレストンは考えているようだ。

■小規模F1チームは歓迎?

伝えられるところによれば、その2.2リッターV6エンジンであれば、小規模チームは600万ユーロ(約8億円)ほどで入手が可能となり、しかも現在最強を誇るメルセデスのパワーユニットと互角に戦えるだけのパワーを有するものになるだろうという。

一方で、この案は、現行のパワーユニットを搭載する有力チームと、安価な2.2リッターV6エンジンを搭載する小規模チームという二層構造をF1に持ち込むものではないかとの声もある。

だが、エクレストンは、そういう目的でこの案を提示しているわけではないと否定し、次のように主張した。

「我々はこれまでにもターボと自然吸気(エンジン)を使ってきていた。それは二層構造ではなく、“選択”と呼ばれていたよ」

■FIAが新エンジンメーカー募集を正式に開始か

ただ、そうしたエンジンルールの変更に関しては、拒否権を持つフェラーリが反対するのは確実だろうとも言われている。だが、エクレストンはこれに関して次のように語った。

「FIA(統括団体である国際自動車連盟)が月曜か火曜にプレスリリースを出すことになっている」

エクレストンが言うFIAのリリースとは、F1に新たな独立系エンジンサプライヤーとして参戦したいメーカーを募るための入札手続きについてのものだと考えられている。

ドイツの『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』は、エクレストンは現在のF1エンジンルールが「F1にかつてないほどの重大な問題を招いた」と考えており、近々コスワースの責任者を務めるケビン・カルコーベンと会うことになるようだと伝えている。

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