早ければ今週末のF1アメリカGP(25日決勝)で2年連続3回目のF1ドライバーズタイトル獲得を決める可能性があるルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)だが、いまやメルセデスAMGにおいてハミルトンが実質的な“ナンバー1ドライバー”としての地位を確立したと見る者も多い。
■今季は圧倒的な差がついたメルセデスAMGの2人
事実、今季は昨年ほどチームメート同士のきっ抗した争いを見ることはできなくなっている。勝利数も15レースを終えた時点でハミルトンが9勝、ロズベルグはわずかに3勝だ。最終戦ダブルポイント制がなくなったとはいえ、4レースを残した時点ですでにロズベルグのタイトル獲得のチャンスはほぼ完全に消えたと言ってもいい状態だ。
しかも、ポールポジション獲得に関しては、昨年はハミルトンが7回だったのに対しロズベルグが11回と上回り、年間最多ポールシッターに輝いていた。だが、今季はここまでにハミルトンが11回、ロズベルグはわずか3回と、一発の速さでもハミルトンが圧倒的に優位に立っている。
前戦ロシアGP(第15戦)で2年連続F1コンストラクターズタイトルを確定させたメルセデスAMGだが、その際ハミルトンは次のように語っていた。
「ニコは本当に素晴らしいチームメートだと言っておきたい」
■ロズベルグは貴重な戦力だとメルセデスAMGのボス
メルセデスAMGのビジネス担当エグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフも、ドイツの『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』に次のように語った。
「ニコはチームにとって非常に重要な存在だ」
「彼は最初からこのチームにいるし、チームの基盤ともなったドライバーだ。そして本当のチームプレイヤーでもある」
「恐らく、今最強のドライバーはルイスだろう。だが私は決してニコのことを見限ったりしないよ。彼らの差は今でもほんのわずかなんだ」
■メルセデスAMGでは今後もドライバーを公平に処遇
ヴォルフは、今後もハミルトンをナンバー1扱いするようなことはないと次のように続けた。
「どちらのドライバーにも同じ条件が与えられるし、どちらもクルマの開発にも関与し、彼ら2人の希望がそこに取り入れられることになる」
「我々は(ロズベルグと)長期にわたる契約を結んでいる。将来的にお互いにそうしたくないと考える日が来るかもしれないが、今の我々はそういう状態ではないよ」
■ベッテルのことは気にしていないとロズベルグ
ロシアGP決勝をマシントラブルでリタイアし、ノーポイントに終わったロズベルグは、ランキング2番手の位置もフェラーリのセバスチャン・ベッテルに奪われてしまった。
だが、ロズベルグはそのことは気にもしていないと次のように主張した。
「僕はタイトルを取るためだけに戦っているし、ほかのことなど何も考えていないよ」
「現時点で僕にできる最大のことは優勝することさ」