先週末にソチで開催されたF1ロシアGP(第15戦)決勝では、最終ラップに3位争いをしていたバルテリ・ボッタス(ウィリアムズ)とキミ・ライコネン(フェラーリ)がクラッシュ。ボッタスはそこでリタイアとなり、ライコネンにはレース後に30秒のタイム加算ペナルティーが科されていた。
ターン4で強引にボッタスのインに入り、クラッシュを引き起こしたライコネンの走りに対し、批判的なコメントが数多くメディアに取り上げられている。
フィンランド人ドライバー同士が起こしたこのクラッシュに関し、同郷の元F1チャンピオンであるミカ・ハッキネンも、レース後に自分の非を認めようとしなかったライコネンを批判。スタートで一度はチームメートであるセバスチャン・ベッテルの前に出ていたものの、レース中に抜き返されてしまったことでライコネンが大きなあせりを感じていたことがあのクラッシュを引き起こした要因だったのだろうと語っている。
かつて3度F1王座についた伝説的元F1ドライバーであり、現在はメルセデスAMGの非常勤会長を務めるニキ・ラウダも、「ライコネンは、力の限りの攻防を繰り返したが、結局セバスチャンにやられてしまった。そして、彼はボッタスにぶつけることで自分自身をもやっつけてしまったんだ。あれはあまりいいレースの仕方だったとは思えないね」と論じていた。
だが、フェラーリのチーム代表でありマウリツィオ・アリバベーネは、ソチでのレース直後には表彰台を果敢に狙いにいったライコネンの闘争心を評価すると語っていた
そして、ライコネンにペナルティーが与えられたことに関しては、第6戦モナコGPではレッドブルのダニエル・リカルドが今回のものとよく似た行為をしていたことを引き合いに出しながら、「ほとんど同じだったし、あれはレーシングアクシデントだと判断されていた」と語り、「だから、今回のことがなぜレース中の単なる事故に過ぎないと判断されなかったのか、その理由が分からないよ」と付け加えていた。
そして、最近、フェラーリ創設者であるエンツォ・フェラーリの息子であり、フェラーリの共同オーナー兼副会長を務めるピエロ・フェラーリがライコネンを擁護したと伝えられている。
フェラーリ専属ジャーナリストとして知られるレオ・トゥッリーニが、ピエロ・フェラーリと交わした会話について、自身のブログで次のように明らかにしている。
「突然、彼(ピエロ・フェラーリ)が私にこう言ったんだ。『キミのレースをどう思う?』ってね。彼は続けたよ。『彼(ライコネン)はたぐいまれな存在だ。フェラーリの伝統にふさわしい本物のレーシングドライバーだ』とね」