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アラン・プロスト、レッドブルとルノー復縁のうわさに疑問符

2015年10月12日(月)17:47 pm

かつて4度F1王座についた元F1ドライバーのアラン・プロストが、レッドブルとルノーがその関係を回復することになるかもしれないとのうわさに対し、否定的な見解を述べた。

■F1撤退の危機を迎えたレッドブル

2010年から2013年まで、ルノーと組んで4年連続でF1チャンピオンチームとなったレッドブルだが、エンジンルールが変わった昨年からはメルセデスAMGに太刀打ちできない状態が続いている。

勝てないことにいら立ちを覚えたレッドブルは、その責任はルノーにあると公然と批判を繰り返してきた。そして両者はすでに決別することが公然の事実となったと考えられていた。

ところが、2016年に向けて、ほかのエンジンメーカーであるメルセデスやフェラーリは、最大のライバルであるレッドブルへのエンジン供給は行わないという姿勢を貫いている。

このままでは、レッドブルとそのジュニアチームであるトロロッソは2016年に搭載するエンジンが見つからないまま、F1からの撤退を決断しなくてはならなくなる時期も近いのではないかと言われていた。

■F1ボスがレッドブルの危機は去ったと発言

だが、F1ロシアGPが行われたソチにおいて、F1最高責任者のバーニー・エクレストンが、レッドブルのエンジン問題は「すでに解決した」と発言。これはレッドブルとルノーがよりを戻すことを意味するものだと受け止められている。

そうした中、レッドブルのオーナーであるディートリッヒ・マテシッツの右腕として知られるヘルムート・マルコは、ドイツの『Bild(ビルト)』に次のように語った。

「我々がライバルたちからこれほどまでに恐れられているということは名誉なことだよ」

「我々にはエンジンがない状態だ。まだね。だが、クリスチャン(ホーナー/チーム代表)と私がF1カーを押してレースに出ると言う計画はしていないよ」

「我々のシャシーは優れているんだ。だが、エンジンがなくてレースに出られないというのはいいことではないね」

こうしたマルコの発言を聞くと、エクレストンがレッドブルの危機はすでに去ったと語ったソチでのコメントが本当は何を意味していたのかが謎となる。

■メルセデスは早くもレッドブル撤退を見据えてスカウト開始?

「バーニーは、自分ができることをやろうとしているんだ」

ドイツのテレビ局『Sky(スカイ)』にそう語ったのはメルセデスAMGの非常勤会長を務めるニキ・ラウダだ。

「こんなことでレッドブルがF1を去ることになるのはばかげたことだ。(F1が受ける)ダメージは非常に大きいだろう。だから、なんとかそれは避けなければならない」とラウダは付け加えた。

だが、このラウダの発言は、メルセデスAMGが考えを変えてレッドブルに来年エンジンを供給することになるということを意味するものではない。それどころか、メルセデスAMGではすでに来年には職を失うことになるであろうレッドブルの有能なエンジニアたちの獲得に動き出しているようだともうわさされている。

さらに、メルセデスAMGの実質的なチーム代表であるトト・ヴォルフが、今季17歳でトロロッソからF1デビューを飾ったマックス・フェルスタッペンの父親であるヨスと会話をしていたところが目撃されていたことが明らかとなっている。そしてその場にはフェルスタッペンのマネジャーも同席していたと伝えられている。

9月末に18歳となったばかりのフェルスタッペンだが、2016年から1チーム3台エントリーの制度が導入されれば、トップチームの3台目のシートを確保することも視野に入れたいと語ったことが報じられているだけに、メルセデスAMGが第三のドライバーとしてフェルスタッペンに食指を伸ばしているのだとうわさされている。

ヴォルフはこの件に関し、F1公式サイトのインタビューに次のように答えている。

「私はヨスのことは何年も前から知っているんだ。だから単にコーヒーを飲みながら話をしただけだよ」

■ルノーのアンバサダーを務めるプロストもレッドブルとの復縁には否定的

一方、エクレストンのコメントもあり、レッドブルとルノーがその関係を改善し、再び手を取り合うのではないかとのうわさが広まっているが、ルノーのアンバサダーという立場にあるプロストが、その実現は難しいだろうと見ていることも明らかとなった。

プロストは、母国フランスのテレビ局『Canal Plus(カナル・プリュ)』に次のように語った。

「(両者の関係は)すでにかなりのダメージを負ってしまっているし、それが修復できるかどうかは分からないね」

「事実としてあるのは、ディートリッヒ・マテシッツ(レッドブルのオーナー)がルノーと続けたいとは思わないと語ったこと。そして、カルロス・ゴーン(ルノー最高経営責任者)が、ルノーとしては単にエンジンサプライヤーとしてF1を続けるつもりはないと語ったことだ」

「そうしたことを考えれば、本当に(レッドブルにとって)事態が好転していくとは思えないよ」とプロストは付け加えた。

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