ソチで行われたF1ロシアGPでは、最強メルセデスAMGが4レースを残して2年連続のコンストラクターズタイトルを確定させた。
一方、現時点でランキング9番手に沈んでいるマクラーレン・ホンダでは、もはや今季の残りのレースは2016年に向けたテストとして臨むしかない状態だ。
事実、ソチ・オートドロームでフェルナンド・アロンソのクルマに搭載された新スペックのパワーユニットは、これまでのものとは異なるサウンドを響かせていた。
そして、日曜日の決勝レースを終えたジェンソン・バトンはスペインの『El Confidencial(コンフィデンシアル)』に次のように語った。
■2016年に向けたテストは「有望」
「僕たちはいつもとは少し違うやり方でクルマを走らせているんだ。来年に向けてやるべきことがたくさんあるからね」
「ポイント獲得を狙えるようなクルマではないと分かっているときには、もっとリスクを負うことができる。違うことを試してみることができるし、それが今週末に(ロシアで)やったことだった。そしてシーズンの残りのレースでもそれをやっていくことになるよ」
そうしたアプローチをとりながら、バトンは2016年に向けては「有望だ」とも語っている。
■マクラーレン・ホンダ、2016年にはばん回可能?
ロシアGP決勝では、最終的にはアロンソが走行ライン規則を守らなかったとしてタイムペナルティーを科されてポイントを失ったものの、バトンが9位となったことで2ポイントを獲得している。
そのことがマクラーレン・ホンダの進歩を示すものだととらえたいところだが、7台ものクルマがリタイアしたことに助けられたという事実は否めないところだ。F1関係者の中には、2016年もマクラーレン・ホンダは同じようなみじめなシーズンを送ることになるだろうと考えている者も少なくない。
そうした見方があることについての意見を求められたバトンは、ドイツの『Kolner Express(ケルナー・エクスプレス)』に対し、次のように答えた。
■勝つためにはこのアプローチしかなかった
「僕たちがスケジュールよりも大きく遅れてしまっていることは否定できない」
「だけど、その責任問題をうんぬんしても意味がないよ。僕たちのエンジンは非常に攻撃的な設計が施されているんだ。メルセデスのものよりさらにね。僕たちが信頼性の問題をたくさん抱えてしまったのはそれが理由だった」
「でも、もしメルセデスAMGに勝ちたいと思うなら、それをやるしかないんだ」
そう語ったバトンは、次のように付け加えた。
「マクラーレンは、こうした状況を変えて勝てるようにするためのやり方を知っている。それは誰もが分かっていることだと思うよ」