F1ロシアGP(第15戦)はメルセデスAMGのルイス・ハミルトンの優勝で終わったが、5位でチェッカーを受けたフェラーリのキミ・ライコネンがレース後の審議によりレースタイムに30秒加算ペナルティーが科されたことにより、4レースを残してメルセデスAMGが2年連続でのコンストラクターズタイトルを確定させた。
そして、ソチで25ポイントを積み上げたランキングリーダーのハミルトンも、いよいよ2年連続で3度目のドライバーズタイトル獲得に王手をかけた状態となっている。
■リタイアに終わったロズベルグのタイトル獲得は絶望的
今季のF1タイトル獲得に望みをつなぎたかったチームメートのニコ・ロズベルグだが、ポールポジションからスタートし、序盤はレースをリードしていた。だが、スロットルペダルの不具合という予想もしなかったトラブルでリタイアに追い込まれてしまった。
ロシアGPをノーポイントで終えたロズベルグはランキング3位に後退するとともに、ハミルトンとの差は73ポイントにまで開いてしまった。つまり、次戦アメリカGP(25日決勝)でハミルトンとの差がさらに2ポイント以上開いてしまえば、その時点で今季のタイトル獲得の可能性は完全に消えてしまうことになる。
「F1は、時として信じられないほど厳しいものだ」と語ったロズベルグは、もう今季のタイトル獲得の望みは消えたと思っているかと質問されると次のように答えた。
「分からないよ。だけど、あんなこと(スロットルの故障)が起きて普通に戦えないようなら、僕は絶対にタイトルを取ることなどできないよ」
■来季に向けて手応えを得たとベッテル
一方、今季のタイトルをほぼ手中に収めたハミルトンだが、まだ「安心するのは早い」と慎重な態度をくずしていない。
だが、ロシアGP後にランキング2番手に上がってきたフェラーリのセバスチャン・ベッテルともすでに66ポイントの差が開いている。
つまり、仮にアメリカGPでハミルトンが優勝してベッテルが3位以下となれば、その時点でハミルトンの3度目のタイトル獲得が確定することになる。
「もちろん、絶対にあきらめたりはしないよ。でなきゃ、ここにいる意味はないでしょ?」
そう語ったベッテルだが、現在ランキング2番手にまで上昇することができたということは、2016年にはさらに一歩前進し、タイトルを狙える位置につくことができるということを示すものだと示唆し、次のように続けた。
「そうなることを期待しているよ。それが僕たちの目標だからね。僕たちはもう少し強くなりたいと思うし、メルセデスAMGをもっと苦戦させたいと思っている」