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正念場を迎えたレッドブル、今も2社とエンジン交渉中

2015年10月06日(火)18:19 pm

レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーが、新たなエンジンサプライヤーを決定すべく2社と交渉を続けていることなどを含め、レッドブルの地元であるオーストリアの『Servus TV(セアヴスTV)』に対して現在の状況を語った。

■現在もエンジンメーカー2社と交渉中

これまでエンジンパートナーを務めてきたルノーとの決別が決定的となっているレッドブルだが、2016年に戦闘力のあるエンジンを確保することができなければF1から撤退せざるを得ないと主張している。

だが、メルセデスはレッドブルへのエンジン供給は行わないことを決定したと伝えられており、フェラーリは1年落ちの「Bスペック」エンジンの提供のみを申し出ているとうわさされている。そして、今季はルノー以上に苦戦を強いられているホンダも、来季トロロッソへエンジンを供給する可能性を否定したと言われている。

だが、ホーナーは『Servus TV(セアヴスTV)』に、「2つのメーカーと交渉を行っているところだ」と語った。

その2つとは、メルセデスとフェラーリだと考えて、まず間違いではないだろう。

■メルセデスのトト・ヴォルフに最終決定権はない

しかし、メルセデスAMGのビジネス担当エグゼクティブディレクターであり、メルセデスのモータースポーツ責任者でもあるトト・ヴォルフは、レッドブルへのエンジン供給の可能性を明確に否定していた。だが、ホーナーは、それでもなおメルセデスとの交渉が続けられていることを示唆したのだ。

「その決定はトト・ヴォルフに任されているわけではないんだ。もっと上層部が決めることになる」

そう語ったホーナーは、次のように続けた。

「表に出ないところで多くの会話が交わされているし、もちろん、F1の主催者であるバーニー・エクレストンも我々が今後どうなるのかと心配しているよ」

■本当なら2週間前の決定が必要だった

だが、今やレッドブルにとって残された時間は少ない。

「これは重要なテーマだし、今後数週間のうちに解決できることを期待しているよ。非常に危機的な状態だよ。どんどん時間がなくなるからね。もうかなり遅れているんだ」

「今はもう10月上旬を迎えているし、ミルトンキーンズ(レッドブル本部)の設計者たちは、RB12(2016年型車)をどう設計すればいいか知りたがっている」

「いつ解決策が示されることを望んでいるかって? 2週間前に知りたかったよ!」

■エンジン決定の遅れが来季型車にも大きな影響

「エイドリアン・ニューイ(レッドブル/最高技術責任者)が言ったよ。“クリスチャン、我々は答えを知りたいんだ”とね。クルマの前のほうや後ろのほうをどうすればいいかは分かっているんだ。だが、我々としては中間部分(エンジン搭載部分)をどうすればいいかを知る必要があるからね」

「単にエンジンそのものの問題だけじゃないんだ。冷却の問題がからんでくる。それによってサイドポッドの形状だって変わってくる。トランスミッションもそうだ。それによってクルマの後方の形状に影響が及ぶからね」

「最終的に、どうするかを決めるのはディートリッヒ・マテシッツ(レッドブル総帥)だ。私の仕事は、どのエンジンを搭載することになるのかが分かり次第、すぐにそのための取り組みを実行に移すことだ」

「だが、今は、私はこうして座ったままだ。解決策が見いだされてないからね」

「そうだね、こうしたことでほかのチームが有利になるのは確かだろう。だが、我々レッドブル・レーシングの仕事の質は非常に高いし、遅れにも対応はできるよ。誰もが高い士気を抱いているし、また勝利したいと願っているからね」

■F1撤退の可能性も小さくない

そう語ったホーナーだが、戦えるだけのエンジンが手に入らなければ、このままF1を続けるという選択肢はなくなるだろうとあらためて次のように主張した。

「最近1年半にわたって続けてきたようなことを、今後もまた続けたいとは思っていないんだ」

今後、もし許容できる解決策を見つけることができなければ、チームオーナーのマテシッツはF1への投資から手を引くことになるだろうし、そうなれば現在のレッドブルで業務を行っている数百人の従業員が仕事を失ってしまうことになる。ホーナーもそのことは念頭に置いていると次のように続けた。

「もし我々がもうF1レースを続けないことになれば、ほかの活動を考えなくてはならなくなる。ミルトンキーンズには素晴らしい才能を持った人たちが大勢いるから、その才能をうまく生かすには何が最善なのかを考えることになるだろうね」

「もちろん、スタッフたちだって心配しているよ。だが、私は彼らにこう言っているんだ。“自分の仕事に集中しよう。そして自分ではどうにもできないことを気にかけるのはやめよう”とね」

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